2020 Fiscal Year Research-status Report
proBNPの糖鎖修飾制御機構の解明に基づく心疾患の新規診断法・治療法の開発
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19K08580
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 靖章 京都大学, 医学研究科, 助教 (70452357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 宏一郎 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30402887)
錦見 俊雄 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (80291946)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | proBNP |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全はあらゆる心疾患の最終像で予後不良の症候群であり、その患者数は我が国のみならず世界的にも増加傾向にあり心不全パンデミックとして大きな問題となっており、特に高齢化社会を迎えた我が国では高齢者の心不全患者の増加が問題となり心疾患の征圧は極めて重要な課題である。そのためには、心筋の病的状態をより早期にかつ詳細に評価・診断する方法の開発や新たな治療法の開発が急務である。本申請研究では、脳性ナトリウム利尿ペプチドBNPの前駆体proBNP分泌に関わる糖鎖修飾機序に基づく心疾患の新たな診断法、治療法の開発を目的として、①心疾患の種々の病態・病期におけるproBNPの糖鎖構造の相違を明らかにすることにより、糖鎖構造に基づいた、既存の診断法にない、より詳細な心筋の病態を評価しうる新たな診断法の開発を目指す、②不全心筋において生理活性の極めて弱いproBNPが分泌増加するが、proBNPから生理活性の強いBNP1-32への生体内での生成を促進することによる心疾患の新たな治療法の開発に向けた基盤的な研究を行っている。 本年度は前年度に引き続き、 ①について、分析用のサンプル抽出のために、血漿中のproBNPをproBNPに対する抗体とprotein Gカラム、ゲル濾過などを駆使して生成しており、質量分析計での解析を進めているが、解析課程でより高容量のサンプルが必要で有ることが判明し、たiPS由来心筋細胞培養上清を用いた抽出も含め、繰り返し抽出を行うとともみ、より回収効率の良い方法について検討している。 ②についても、新生仔ラット培養心筋細胞に加えて、iPS由来の心筋細胞の培養上清についてもその遺伝子発現への種々の刺激によるproBNP分泌に影響を及ぼす可能性のある遺伝子発現の変化を検討し始めており、それらを調節することによる生理活性の強いBNP分泌を促進させるべく検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいるが、糖鎖構造解析のための質量分析には大量かつ精製度の高いサンプルの精製が必要であり、その精製を慎重に行っているが、培養細胞上清やiPS由来心筋細胞の培養上清なども使用して、より大量にサンプルを精製することを試みている。遺伝子改変マウスの作製にも取り組んでおり、時間はかかる工程ではあるが確実に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析により糖鎖構造を詳細に検討し、その病態における際について検討を進めていく。 さらには、上記の糖鎖構造解析結果から、そこに関わるシアル酸の組成についての情報も参考にしつつ、シアル酸転移酵素によるproBNPの糖鎖修飾への関与について、それに関わる分子の同定を行っていく。また遺伝子改変動物の作製を引き続き進めていく。また上記の解析に iPS由来心筋細胞を用いた系も導入している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大により当初参加予定であった学会が中止やオンライン開催となるなど、旅費や学会参加費などの支出が予定より下回ったことが大きい。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Overview of the 84th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society - Change Practice! -2021
Author(s)
Koh Ono, Satoshi Shizuta, Erika Yamamoto, Naritatsu Saito, Neiko Ozasa, Takao Kato, Eri Kato, Takahiro Horie, Junichi Tazaki, Hiroki Shiomi, Shin Watanabe, Hirotoshi Watanabe, Yugo Yamashita, Yusuke Yoshikawa, Hideyuki Kinoshita, Takeru Makiyama, Yoshinori Yoshida, Noboru Ashida, Yasuaki Nakagawa, et al.
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 85(3)
Pages: 323-329
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rationale and design of the EMPEREAN study2020
Author(s)
Motoki H, Masuda I, Yasuno S, Oba K, Shoin W, Usami S, Saito Y, Waki M, Komatsu M, Ueshima K, Nakagawa Y, Son C, Yonemitsu S, Hiramitsu S, Konda M, Onishi K, Kuwahara K.
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Journal Title
ESC heart Fail.
Volume: 7
Pages: 3134-3141
DOI
Peer Reviewed
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