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2019 Fiscal Year Research-status Report

心臓由来幹細胞の分化能を活性化する因子の同定と臨床応用への道のり

Research Project

Project/Area Number 19K08589
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

松下 訓  順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 門口 智泰  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (10762049)
山本 平  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70301504)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords虚血性心疾患 / 炎症 / 心筋再生
Outline of Annual Research Achievements

当科で施行された開心術のうち、虚血性心疾患において単独冠動脈バイパス術の症例を対象とした。人工心肺の影響を除くため心拍動下手術のみで解析を行った。対象症例において組織使用の同意書が得られたものに対して、左心耳組織をPCRにて解析した。
これまで109例において解析を行った。平均年齢は69.5歳、女性は18例(16.5%)であった。平均BMI=23.8であった。平均NYHAは1.6であった。術前心エコーにおいて左房径は37.3 mm、左室拡張/収縮末期径はそれぞれ48.9/33.7、左室中隔厚/後壁厚は9.9/9.8 mm、左室駆出率は57.8%で、平均右室圧は22.7 mmHgであった。平均手術時間は153.3分、平均ICU滞在日数は1.5日であった。
左心耳の遺伝子発現において炎症性サイトカインのうちTNF-α (p <0.05), IL-1β (p <0.01), IL-2 (p <0.001), IL-6 (p <0.01), IL-10 (p <0.001), IL-17 (p <0.001), IL-33 (p <0.001)はc-Kitと正に相関していた。またマクロファージのマーカーであるCD11c (p <0.001), CD68 (p <0.001), CD206 (p <0.001)も正の相関を見せた。成長因子のうちIGF-1 (p <0.05), bFGF (p <0.001), VEGF (p <0.001), VEGF-R2 (p <0.001), TGF β1 (p <0.001), TGF β2 (p <0.001), TGF β3 (p <0.001)とも有意な正の相関を見せた一方でHGFの発現とは有意差はなかった(p=0.102)。その他の遺伝子としてGATA-4 (p <0.001), MEF2c (p <0.001), NKx-2.5 (p <0.01), ISL-1 (p <0.001), HAND-2 (p <0.001), およびTBX-18 (p <0.001)と正の相関を見せたが、HAND1 (p=0.196), TBX-5 (p=0.315) , TBX-20 (p=0.155), IRX-4 (p=0.122) との相関はなかった。また心臓由来ホルモンであるANPとは有意に正の相関をしたが(p <0.01)、BNPとの相関は見られなかった(p=0.161)。今後はこれらのうち、標的遺伝子を心臓由来細胞に導入、どのように細胞の分化や増殖能に差がみられるかを検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

手術中に得られる組織を用いてそれに含まれる炎症性サイトカインや組織修復にかかわる因子の遺伝子発現の動向を詳細に確認した。同意の取得および遺伝子解析はほぼ予定通りに行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

解析結果はこれまで得られていたマウス心臓組織と異なる傾向を示しているものもあり、興味深いが、この差異が動物種によるものなのかそれとも健常マウスか疾患によるものなのか、もしくは部位による差異なのか検討が必要である。一方でこれまでの知見とほぼ同じ結果が得られている遺伝子に対して遺伝子導入の準備を進めている。すでに一部の物品は揃っているが、令和2年2月頃よりCOVID-19の影響により研究が予定通り進められるかが非常に不透明な状態となっている。

Causes of Carryover

ほぼ計画通りに研究は進行している。来年度以降は培養細胞に対する遺伝子導入を中心に実験を行う予定である

URL: 

Published: 2021-01-27  

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