2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規非ペプチド型アンジオテンシンⅡタイプⅠ受容体選択的作動薬の開発
Project/Area Number |
19K08593
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (20343709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末松 保憲 福岡大学, 医学部, 講師 (70716927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アンジオテンシンⅡ / AT1受容体拮抗薬 / 非ペプチド型 / 細胞外シグナル調節キナーゼ / イノシトールリン酸産生能 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)タイプI(AT1)受容体は、心血管系疾患の発症・進展に強く関わっており、AT1受容体拮抗薬(ARB)は、降圧薬や心筋保護薬として頻用されている。Biased ligandsとは、リガンドが受容体に結合した場合、ある種の細胞内シグナルは活性化させるが、その他のシグナルは活性化しないリガンドである。AT1受容体選択的作動薬の細胞内シグナル選択性を検証するため、細胞内シグナルとして、AT1受容体過剰発現細胞を使用し、系統的細胞内シグナル解析システム、イノシトールリン酸産生能とβアレスチン経路の細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)活性能の測定法を確立した。次に、種々のデザインした非ペプチド型ARB(非ペプチド型AT1受容体選択的作動薬候補)を使用し、系統的シグナル解析、イノシトールリン酸産生能とERK活性能を測定した。その中で、化合物Aでは、イノシトールリン酸産生能を刺激したが、ERK活性化を引き起こさなかった。また、化合物Bでは、イノシトールリン酸産生能を増加しなかったが、ERK活性化を引き起こした。しかし、系統的細胞なシグナル解析では、様々な細胞内シグナル系を測定したが、前述のように、イノシトールリン酸産生能とERK活性化といった2種類のみの解析ではなかったため、各化合物の選択性はオーバラップしていた。さらに、4種のAT1受容体人工変異型受容体(L112A、Q257A、Y292A、N295A)を作製し、AT1受容体結合能試験によりAT1受容体と化合物Aと化合物Bの結合部位を推定し、イノシトールリン酸産生能とERK活性化の一方のシグナル伝達に重要である結合部位を同定した。また、In vivoモデルにおける非ペプチド型AT1受容体選択的作動薬の効果検証のため、心機能障害を有する高脂肪食ApoEノックアウトモデルを作製することができた。
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