2019 Fiscal Year Research-status Report
自己抗体マーカーによる睡眠時無呼吸症候群の脳梗塞・心筋梗塞発症予測とモニタリング
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19K08596
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺田 二郎 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20400898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (30260251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 睡眠時無呼吸症候群 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画初年度の研究に関しては、閉塞性無呼吸症候群(OSA)患者の血液検体100例を用いて動脈硬化疾患に関連した自己抗体の同定・解析研究を進めた.これまで同定したCOPE抗体(Matsumura T, Terada J, et al, 2017 J Clin Sleep Med),抗NBL抗体(Matsumura T, Terada J, et al 2018 PlosOne)につづいて、新たな自己抗体-抗SNX-16(Sorting nexin 16)抗体について解析した. 具体的には,OSA患者82名,急性冠症候群(ACS)患者96名,健常者(HV)64名を対象に,血清中の抗SNX16抗体値をamplified luminescence proximity homogeneous assay(AlphaLISA)法により測定し,測定値と各種臨床データとの関連性を評価した。OSA患者は診断の睡眠ポリグラフ検査入院時,ACS患者はACS発症時に採取した血清を用いた。 その結果,抗SNX16抗体値はOSA患者とACS患者において健常者よりも有意に高値であった。またOSA患者では重症OSA患者もしくはCVD既往のある患者において有意に高値であった。OSA患者における抗SNX16抗体値は、BMI、AHI、Arousal Index、Mean SpO2、CVD(心血管疾患)既往との相関関係が確認された。また抗SNX16抗体値の上昇は,OSA患者のCVD既往に対する有意な予測因子となる可能性が示唆された。 それらの結果を、英文学術誌に報告した(Diagnostics (Basel). 2020 Jan 27;10(2). pii: E71. doi: 10.3390/diagnostics10020071. 今回の報告で同定した抗体が、今後の動脈硬化マーカー候補となる可能性が考えられた。また今回、動脈硬化疾患を多数合併した一例の血清を用いて、網羅的検索のためにプロテインアレイを使用して検討した。現在解析中である。それらについて、欧州呼吸器学会学術集会(スペイン,マドリード)に参加して、世界の研究者らとディスカッションした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画として、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の動脈硬化疾患関連のバイオマーカーとなる自己抗体候補を同定することを目標としていたため、今回SNX-16抗体を報告(上述)できたことは、計画が"おおむね順調に進展している"と考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画にそって、動脈硬化マーカーの探索、血清採取に努めたい。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Circulating Anti-Sorting Nexins 16 Antibodies as an Emerging Biomarker of Coronary Artery Disease in Patients with Obstructive Sleep Apnea.2020
Author(s)
Katsumata Y, Terada J, Matsumura T, Koshikawa K, Sakao S, Tomiyoshi G, Shinmen N, Nakamura R, Kuroda H, Nagashima K, Kobayashi Y, Kobayashi E, Iwadate Y, Zhang XM, Hiwasa T, Tatsumi K.
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Journal Title
Diagnostics (Basel)
Volume: 10
Pages: E71
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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