2021 Fiscal Year Research-status Report
CMTMs regulate EGFR mutation positive NSCLC
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19K08609
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
前門戸 任 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40344676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸幸 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 部長 (60280872)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | EGFR遺伝子変異 / 免疫チェックポイント阻害剤 / CMTM4 / CMTM6 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的としては、変異EGFRの奇異な細胞内動態の責任分子としてCMTM遺伝子群の役割を解析し、輸送異常との関連性を解明する。さらに当たらに樹立した次世代肺癌モデルマウスを用いることで、CMTM輸送系が治療抵抗性に果たす役割をin vivoモデルで検証し、革新的な肺癌治療の基礎を築くことを目的とした。 まず、CMTM6の各肺癌細胞株での発現をみたところH1974,H1650,PC9は高発現を確認できたが、肺腺癌細胞株であるH2228は発現が乏しかった。CMTM4についても同様に発現をWesternでみたが、肺癌細胞株に発現が弱く、今後はCMTM6に加えて肺癌細胞株に発現が認められるCMTM6, CMTM7に絞って研究を進めることとした。この二つのプラスミドを作成しH1975(L858R/T790M mutation) とii-18(L858R mutation)肺癌細胞株にtransfectし安定的にCMTM6, CMTM7を発現する細胞株をつくることに成功した。ii-18細胞株の方がEGFRの発現が、H1975と比較して強い傾向があったが、現在親株の発現ステータスについて実験中である。 我々は現在、CMTM分子群とエクソソームとの関連に注目しin vitroの研究を進めている。
ヒト検体についての研究では、EGFR遺伝子陽性肺癌であっても免疫チェックポイント阻害剤が反応する腫瘍標本を収集・研究するのためプロトコールを作成し、多施設で検体を集めた。複数施設での倫理委員会での承認が得られた。免疫組織染色を行ったが、CMTMがユビキタスに発現しているためか、または、抗体の性能が不十分であるためか、染色がうまくいかずに現在ペンディングの状況で、in vitro研究に注力している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CMTMの免疫組織染色が微小検体で評価困難であり、標本を手術検体に切り替えたこととEGFR遺伝子変異肺癌であっても免疫チェックポイント阻害剤が効果があった貴重な症例の検体を収集するためにプロトコールを作り他施設の倫理委員会の承認をるのに時間がかかってしまった。 当初、並行して進める予定のin vitroの研究については、それぞれの遺伝子と肺がん細胞株へのトランスフェクトまで成功したが、宮城がんセンターの研究人員の不足から進んでいない状況である。連絡を密にして研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
CMTMを肺がん細胞株にトランスフェクトは成功したので、その細胞株を使って様々な分子の発現状況を確認する。また、エクソソーム内にEGFRおよびPD-L1が分泌されることはわかっており、エクソソーム分析を超遠心を使いより質の高い抽出を試みる。
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Causes of Carryover |
ヒト腫瘍検体を収集するためのプロトコールの作成、複数施設での倫理委員会の承認などに手間取り、ヒト検体を用いた研究が遅れた。 また、CMTM6およびCMTM7のコンストラクトの作成と安定的に発現する腫瘍細胞株の作成に時間を要した。 今後の使用計画としては、CMTMをトランスフェクトした肺がん細胞株を使って様々な分子の発現状況の確認と、超遠心を使いより質の高いエクソソームの抽出を行いエクソソーム内に分泌されるEGFRおよびPD-L1の分析を行う費用を捻出予定である。
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