2019 Fiscal Year Research-status Report
肺癌オルガノイドライブラリーを用いた新規治療標的の同定
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19K08610
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浜本 純子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40570239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70365261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では根治性の高い肺癌の新規治療法の開発を行い、肺癌患者の予後を改善することを目的とし、肺癌患者検体からのオルガノイドライブラリー作成とライブラリーに対して全遺伝子を個別にノックアウトできるシステムであるCRISPR/Cas9スクリーニング施行することにしている。 ライブラリー作成に関しては申請前までに樹立していた細胞株に加え、新たに外科手術、気管支鏡検査、胸水穿刺、喀痰、CTガイド下生検から得られた検体からの樹立を継続して行い、腺癌、扁平上皮癌、小細胞肺癌、大細胞神経内分泌癌など臨床に即した組織型を含むライブラリーの拡張に成功した。各検体のWhole exome sequenceを行うことにより変異情報を集めて既存のTCGAデータとの比較検討を行った。また、培地のニッチ因子の検討を行うことにより肺癌細胞の増殖に必要なシグナルの探索を行っている。このシグナルの探索により、肺癌の新規治療法の標的となるpathwayや遺伝子候補が見つかると考えている。さらに、見つかったシグナルの阻害を行うことにより、肺癌の治療法になる可能性があるので、この可能性をマウスxenograftで検討している。 CRISPR/Cas9スクリーニングに関しては、研究分担者及び協力者が既に行っていた方法で肺癌オルガノイドで目的の遺伝子がノックアウトできること、また、sgRNAライブラリーを用いた網羅的なノックアウトスクリーニングもできることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き肺癌ライブラリーの拡張を行う。 CRISPR/Cas9スクリーニングに関しては、樹立したライブラリーのうち、発癌機序が不明の検体に関してスクリーニングを施行し、肺癌の新しい治療標的探索を目指す。
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Causes of Carryover |
慶應義塾大学で特任教員を10年間継続したため、2019年7月1日以降継続して慶應義塾大学で職位を得ることができませんでした。そのため、慶應義塾大学から北里大学に異動し、科研費を北里大学に移管しました。 本研究は慶應義塾大学医学部にあるオルガノイド医学研究室との連携で行っており、また、本研究に使用する肺癌臨床検体を取得するシステムを慶應義塾大学医学部呼吸器内科で確立済であることから、慶應義塾医学部で研究を行う方が効率的であるため、北里大学から慶應義塾大学に戻り、本研究は今後も慶應義塾大学で行っていきたいと考えております。 2020年1月1日付で慶應義塾大学医学部にて「特任助教(有期)(研究)」の職位をいただきましたので、慶應義塾大学に再度科研費を移管しました。 次年度にオルガノイドの実験を行うための消耗品費、および学会参加旅費として使用する。
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