2020 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における血清エクソソーム非コードRNAを用いたがん免疫療法の効果予測
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19K08615
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 教授 (30366687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 晃彦 日本医科大学, 医学部, 助教 (00591281)
野呂 林太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50366738)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺癌 / がん免疫療法 / エクソソーム / 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺癌患者における免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果予測マーカーになり得るエクソソーム内のマイクロRNA(miRNA)の検討を行った。当院においてICI単剤治療(ペンブロリズマブまたはニボルマブ)が開始された非小細胞肺癌患者23名の治療開始前の血清からエクソソームを抽出し、エクソソーム内miRNAのマイクロアレイ解析を行った。miR-125a高値がICIの効果不良(PD)と関係していた。RT-PCR法を用いた41名の解析においても、miR-125a-3p高値群(≧0.41)(N=9)ではmiR125a-3p低値群(<0.41)(N=32)と比較して有意にPDが多かった(7/9 vs 12/32, p=0.03)。肺癌細胞株(H441、H1975)を用いた検討にて、NRG1がmiR-125aの標的であることを明らかにした。今年度は、miR-125aとPD-L1の関係について詳細な検討を行った。miR-125aの過剰発現にてHER3、リン酸化AKTが低下し、HER3/AKTシグナルを介してPD-L1発現低下が起こることを明らかにした。以上より、血清エクソソーム中のmiR-125aはNRG1を制御し、PD-L1の発現を抑制することで、非小細胞肺癌患者におけるICIの効果不良と関係すると考えられ、現在更なる機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非小細胞肺癌患者における免疫チェックポイント阻害薬の効果予測マーカーになり得るエクソソーム内のmiR-125aと標的因子(NRG1)の同定およびmiR-125aとNRG1の機能解析まで進んでおり、研究計画のマイルストーン通リに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌患者手術検体を用いた免疫染色法によるmiR-125a、NRG1およびPD-L1の発現検討を予定している。
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Causes of Carryover |
主に細胞株を用いた機能解析に対する消耗品と旅費に関する研究費使用を計画していた。COVID-19パンデミックにより、研究が制限される期間が一定期間あり、機能解析(研究分担者分含む)に関しては一部を次年度以降に持ち越すことになった。旅費に関しても、当初の出張計画がなくなり、次年度以降の成果発表のための旅費に持ち越すこととなった。
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Research Products
(1 results)