2020 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲン欠乏によりヒト気道上皮細胞において発現変化をきたす遺伝子の網羅探索
Project/Area Number |
19K08619
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Research Institution | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
Principal Investigator |
宮林 亜希子 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部 病理科, 研究員 (40834726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 真太郎 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部 免疫科, 科長 (50383203)
慶長 直人 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 副所長, 副所長 (80332386)
土方 美奈子 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 生体防御部, 部長 (90332387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺MAC症 / 気道上皮細胞 / エストロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
非結核抗酸菌(NTM:nontuberculous mycobacteria)感染によって起きるNTM症、特に肺MAC(Mycobacterium avium complex)症が近年増加している。肺に器質的障害を持たない痩身の中高年の女性例に多い気管支拡張型は、閉経後に発症する場合が多いことから、女性ホルモンの欠乏が病態に関連する可能性が考えられている。本研究は、女性由来のHPV-18 E6/E7による不死化ヒト気道上皮細胞株HBE1と我々が保有する手術検体由来のヒト初代培養気道上皮細胞パネルを用いて、炎症状態の気道上皮細胞でのエストロゲンの有無による遺伝子発現の違いを網羅的mRNA発現解析により解析し、中高年女性の肺MACの病態に関わる遺伝子、パスウェイの候補を得ることを目的とする。 昨年度、HBE1細胞のエストロゲン(17β-Estradiol)刺激応答状態をモニターするために、同刺激で発現誘導されるとされるmRNAの発現をqRT-PCRにより検討した。候補mRNAは、ヒト乳がん細胞株(MCF-7)において既に報告されているものから15個選定した。結果、HBE1細胞では刺激時にこれらの遺伝子の有意な発現誘導がみられないことが確認された。 そのため本年度は、MCF-7を入手し、HBE1細胞で実施した同じ条件で刺激試験を行い、刺激の方法に問題がないかの検証を行ったところ、MCF-7ではエストロゲン刺激において、選定したmRNAは有意に発現誘導されていた。今後、mRNA-Seqを用いてHBE1細胞のエストロゲン有無による遺伝子発現の違いを網羅探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はヒト初代気道上皮細胞パネルを使用してエストロゲン添加の有無により遺伝子発現量も有意な違いのある遺伝子をmRNA-Seqを用いて探索する予定であったが、エストロゲン作用のマーカー(mRNA)の検討に時間を要したため、実施には至らなかった。 HBE1細胞のエストロゲン作用のマーカーの探索は、mRNA-Seqを用いて行う計画に変更していく。
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Strategy for Future Research Activity |
不死化気道上皮細胞HBE1細胞のエストロゲン作用のマーカーの探索は、mRNA-Seqを用いて行う。 mRNA-Seqの結果得られた、発現が有意なmRNAをリアルタイムPCRでモニターすることでHBE1細胞でのエストロゲン作用を確認する。また、炎症状態においてエストロゲン添加の有無により遺伝子発現量に有意な違いのある遺伝子をmRNA-Seqを用いて探索する。 HBE1細胞で検討した試験方法で、ヒト初代気道上皮細胞パネルで同様の試験を行い、多検体の中で共通の遺伝子、パスウェイを選ぶことで機能的に意義のある遺伝子を明らかにする。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーNextSeq 500を用いたmRNA網羅発現解析のためのシークエンスキットなどの遺伝子発現解析用試薬の購入を繰り越した。次年度に購入し、mRNA発現網羅解析を行う。
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