2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K08628
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 朋子 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10400342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 一直 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40106365)
齋藤 美和子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40753009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症急性増悪 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)の予後規定因子の一つである急性増悪(acute exacerbation:AE) は、IPF にびまん性肺胞傷害が合併したものと考えられているが、成因が不明で死亡率の高い難治性病態である。AE-IPFのリスク因子の一つとして「誤嚥」が挙げられる。胃内容物の誤嚥がAE-IPFを惹起することが2016年にIPF国際作業部会で明記されたが「唾液による不顕性誤嚥」についての言及はない。我々はAE-IPF患者の気管支肺胞洗浄液中の唾液アミラーゼが高値であることを発見しており、本研究では唾液アミラーゼの不顕性誤嚥がAE-IPFを引き起こす可能性についてin vitro・in vivo・臨床の3方向から検証していくため本研究を想起した。 コロナ禍、また研究代表者本人の人事異動により、基礎研究においては、前年度、肺胞上皮細胞を唾液アミラーゼで処理した際、MAPキナーゼ活性を介しtransforming growth factorbeta1:TGF-beta1の活性か起こることを確認したところで研究が止まっていた。 2021年度は、異動先の埼玉医大総合診療内科の実験環境を整えることに注力した。細胞培養の環境も整い、現在細胞培養を再開している。 また昨年度は、臨床的に唾液アミラーゼが誤嚥性肺炎のマーカーであることを証明した研究の論文化に努めた。その結果は「Bronchoalveolar lavage (BAL) amylase and pepsin levels as potential biomarkers of aspiration pneumonia」として、Pulmonologyにアクセプトされた(in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、異動先の実験環境を整えることに終始した。また本研究の基となる臨床研究の論文化に注力したため、実験に進捗には遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究については、ヒト肺胞上皮細胞の培養環境は整い現在培養を再開している。Wwestren blottingやELISAを行うための準備が整い次第、①唾液アミラーゼ処理後transforming growth factorbeta1:TGF-beta1の合成、線維化の前段階と考えられている上皮間葉転換:EMTの促進についてシグナル伝達も含めELISA法やWestern blot法及び免疫染色にて検討する ②ヒト肺胞上皮細胞をヒト唾液アミラーゼ処理した結果フィブリン形成が促進するかを検討する 以上、2022年度中にin vitro研究のメドをつける予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、異動先である埼玉医大総合診療内科で、細胞培養やELISA、western blottingなどの実験環境の整備に追われた。またその間、唾液アミラーゼが誤嚥のバイオマーカーとなりうることを証明した論文作成にも注力していたため、基礎研究に遅れが生じた。 2022年度は、上記の実験環境も整い、基礎研究を順次遂行予定である。
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