2023 Fiscal Year Research-status Report
マイクロバイオームからみた慢性閉塞性肺疾患の新規病態分類の提案
Project/Area Number |
19K08635
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
友田 恒一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90364059)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 薫 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20254493)
矢野 寿一 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20374944)
植野 高章 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60252996)
室 繁郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60344454)
藤岡 伸啓 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80790237)
中平 毅一 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80844414)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | COPD / マイクロバイオーム / 腸内環境 / 口腔ー気道‐肺 / 病態分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙を主因とするが、喫煙者の約20%しか発症しない。発症要因は多種多様であり、発症要因からすべての発症を予防することは困難とされている。呼吸機能の経年的変化は安定例から急速進行例まで様々でCOPDの臨床経過にも多様性が存在することが明らかとなった。本研究では併存症の経過にも肺とは独立した多様性が存在し、COPDは臨床経過から①肺進行形(局所型)②併存症進行形(全身型)③局所・全身型 ④安定型の4型に分類され、この病態分類に応じた治療戦略を立てることで予後改善に寄与すると仮想した。腸内細菌叢がCOPDと併存症の発症・進展に関与している知見をすでに得ていることから、局所型では口腔‐気道細菌叢、全身型では腸内細菌叢の乱れ(Dysbiosis)から臨床経過を予測できるかについても検証し、細菌叢からみた病態分類を作成するとともに各群における治療戦略をも提案することが本研究の目的である。方法 ① 手術検体を用いた検討:早期肺癌COPD合併症例を対象に術前採取した唾液、糞便 切除した肺組織内のmicrobiomeを解析し、臨床指標(肺および併存症)との関連性を検討するとともの各microbiomeの関連性についても解析する。② 外来通院患者の検証:外来通院中COPD患者を対象に、唾液および糞便のmicrobiomeを解析し臨床指標との関連性、各microbiomeの関連性を解析する。COVID-19 流行のため患者登録が進まず、肺気腫マウスモデルでの解析も開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患者登録が新型コロナウイルス感染症流行の関係で大幅に遅れ、喀痰 唾液 糞便などの検体採取が困難な状況であるため動物モデルでの解析を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
遅れていたCOPD患者のリストアップに努めるとともに動物モデルを用いて気道および腸内のマイクロバイオームの解析を行い基礎的なデータの集積に努める。
|
Causes of Carryover |
現在COPD患者登録中であるが新型コロナウイルス感染症流行の影響で計画遂行が大幅に遅れるとともに、呼吸機能検査による確定診断が困難であるだけでなく喀痰 唾液 糞便当の検体採取ができず予定していた各サンプルのマイクロバーオームの解析ができなかった。本年はCOPD患者のサンプル収集および解析に努める。さらに動物モデルを用いて気道および腸内のマイクロバイオームの解析を行い基礎的なデータの集積に努め、動物実験の遂行や動物実験で得られたサンプルのマイクロバイオームの解析に使用する予定である。
|