2021 Fiscal Year Research-status Report
新規サイトカインIL-38の機能解明の基礎研究と新規治療薬の開発
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19K08636
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
富永 正樹 久留米大学, 医学部, 准教授 (70597773)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IL-38 / ブレオマイシン / 肺障害 / エラスターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
肺線維症は、慢性炎症と過剰なコラーゲン沈着を伴う一種の肺障害であり、その病因は明らかではない。IL-38はIL-1ファミリーサイトカインの新しいメンバーだが、肺線維症におけるその役割は解明されていない。以前肺線維症、薬剤による急性肺障害、慢性間質性肺疾患の急性増悪についてIL-38の発現を検討し、活動性の高い時期によく発現していることを報告した。そこで、今回マウスモデルで確認を行うために、IL38KOマウスを作成し、そこにブレオマイシンによる急性肺障害モデルを作成して検討を行った。当初IL-38KOマウスの作成がうまくいかなかったが、作成できたKOマウスを使用しブレオマイシンによる肺障害モデルを作成した。IL-38KOマウスでは、通常より肺障害の程度が強くなると予想していた。以前は腹腔内投与で肺障害の作成がうまくいっていたのだが、製品の品質が良くなったためかうまく肺障害がおきず、吸入での肺障害作成に変更した。吸入に変更したためか、肺障害が全体におきずに部分的には起きているが、通常のマウスに比較して肺障害の程度は若干軽い印象を受ける。ただし、手技的な問題で炎症の程度にばらつきがある可能性があり、エラスターゼ吸入による肺障害モデルを作成する予定としている。 さらに通常のマウスを使用して、エラスターゼによる肺障害モデルを作成しIL-38の発現を見る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ブレオマイシンによる肺障害モデルの作成がうまくいかなかった。理由として、ブレオマイシンは抗がん剤として今なお使用されているが、肺線維症の副反応が数多く報告されている。そのため改良されていることが予測され、線維化が起きにくくなっていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
ブレオマイシン吸入による肺障害モデル作成を試みているが、手技的に難しいところがあり、当科で確立しているエラスターゼ吸入をブレオマイシンと並行して行っている。 さらにKOマウスだけでなく通常のマウスを使用して、エラスターゼによる肺障害モデルを作成しIL-38の発現を見る予定である。
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Causes of Carryover |
現在すでに論文投稿して受理されており、その掲載料に約30万円を使用予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Airway hyperresponsiveness and inflammation in Japanese patients with human immunodeficiency virus 1 infection2022
Author(s)
Chiyo Yano, Masaki Tominaga, Yoshiko Naito, Yoshihisa Tokunaga, Takashi Kinoshita, Jun Sasaki, Masaki Okamoto, Kenichiro Yaita, Hitoshi Obara, Tatsuyuki Kakuma, Tomoaki Hoshino, Tomotaka Kawayama
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Journal Title
Journal of Infection and Chemotherapy
Volume: 28
Pages: 426-433
DOI
Peer Reviewed / Open Access