2020 Fiscal Year Research-status Report
JCAD/KIAA1462のCOPDにおける役割の解明と治療法の開発
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19K08651
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 正嗣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40542139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 善博 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (20291453)
小林 和幸 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (50403275)
永野 達也 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80624684)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | KIAA1462 / COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は40歳以上の日本人の約9%程度が罹患している頻度の高い生活習慣病の一つであり、平成27年度の本邦の死因別死亡数の10番目にも位置づけられる重要疾患である。近年行われたヒトゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果、KIAA1462/JCAD遺伝子がCOPDにおける肺気腫の病変分布と関連していることが報告された。当研究科では、KIAA1462が血管新生や細胞骨格形成に関係していることを世界に先駆けて明らかにしてきたが、COPDの疾患病態とKIAA1462の関係については詳細が明らかではない。そこで、KIAA1462の遺伝子ノックアウト(KO)マウスを用いて、COPDにおけるKIAA1462の役割を明らかにするとともに、従来にない肺血管と肺胞壁構造を標的とした新規COPDの分子標的治療薬を開発することを目的に研究を行った。 まずは、申請者の施設で既に飼育している10週齢のKIAA1462遺伝子野生型(WT)マウスと、KOマウスにエラスターゼを経気道的に投与し、COPDモデルマウスを作成し、投与21日目の肺組織を摘出し、表現型を確認したが、肺気腫の程度は差異を認めなかった。また、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の細胞数の解析でも遺伝子型による有意な差は認めなかった。しかし、同標本で血管内皮細胞マーカーであるCD31で免疫染色を行ったところ、血管新生の程度はKOマウスで少ない傾向があった。 本研究は、COPDの分子生物学的病態のさらなる理解と、それに伴う新しい治療アプローチができることにより、多くのCOPD患者の生命予後の改善に寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COPDの表現型に個体差が大きく、条件検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に担当スタッフを複数名増員してエフォートを増やして取り組む。
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