2021 Fiscal Year Annual Research Report
JCAD/KIAA1462のCOPDにおける役割の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
19K08651
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 正嗣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40542139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 善博 神戸大学, 医学部附属病院, 名誉教授 (20291453)
小林 和幸 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (50403275)
永野 達也 神戸大学, 医学研究科, 講師 (80624684)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | KIAA1462 / COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
最近のヒトゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果、KIAA1462は冠動脈疾患に関連する遺伝子として同定された。これとは別に、KIAA1462が血管新生に関与していることが報告されており、KIAA1462の遺伝子産物であるJCADタンパクが細胞間接着などの内皮細胞機能を制御している可能性がある。また、GWASは、KIAA1462もCOPDに関連していると報告したが、それがどのように関与をしているのかは明らかではない。そこで、COPDにおけるKIAA1462の役割を明らかにすることを目的とした研究を実施した。 まず、経気道的にKIAA1462遺伝子ノックアウト(KO)マウスにエラスターゼを投与してCOPDモデルマウスを作成し、病理標本で遺伝子型による肺気腫の違いを評価し、抗CD31抗体で染色して血管新生の違いを評価した。また、リアルタイムPCRを実行して、肺組織における血管内皮増殖因子(VEGF)およびVEGF受容体2(VEGFR-2)の発現を評価した。 その結果、COPDモデルマウスにおいて、気腫の程度を表す平均肺胞間距離は、KOマウス(51.0±6.13μm)と野生型(WT)マウス(56.0± 12.71μm)で有意差を認めなかった(p = 0.57)。しかしKOマウスの微小血管密度(5.41±2.75vessels / mm2)はWTマウス(10.91±2.27vessels / mm2)よりも低い傾向があった(p = 0.056)。また、肺の病理切片におけるVEGFとVEGFR-2の免疫染色における発現の違いはなかった。これらの結果は、KIAA1462がVEGFとは無関係の経路でCOPDの血管新生に関与していることを示唆していた。
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