2020 Fiscal Year Research-status Report
機能性RNA統合理解に基づく間質性肺炎合併肺癌の分子経路探索と新規治療法の開発
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19K08656
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
眞田 宏樹 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (10837777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
水野 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50531414)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子細胞呼吸器学 / 間質性肺炎合併肺癌 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、間質性肺炎合併・肺癌患者、エクソソーム由来マイクロRNAの解析を継続している。これまでの解析データから、患者組織で高発現し、エクソソームを介して本疾患の悪化を促進するマイクロRNAの存在が明らかとなってきた。本研究では、間質性肺炎合併肺癌患者で高発現しているマイクロRNAを起点として、間質性肺炎合併肺癌において特徴的な分子経路を明らかにする。本研究の成果は、有効な治療法が存在しない間質性肺 炎合併肺癌患者に対する治療法の開発に向けて有用な情報を提供できると考える。 間質性肺炎合併肺癌プロファイルにおいて、高発現しているマイクロRNAと、解析を継続している患者エクソソーム由来マイクロRNA発現解析で、高頻度に検出されるマイクロRNAを候補とした。高悪性度肺癌・癌細胞に、候補となるマイクロRNA-inhibitorを加え、癌細胞の細胞増殖能、遊走能、浸潤能、アポトーシス誘導の機能解析を行う。高悪性度肺癌・癌細胞、肺線維芽細胞にマイクロRNAを核酸導入し、機能解析を行った。癌促進型マイクロRNAのseed配列を、CRISPRCas9システムでゲノム編集し、ゲノム編集を施した癌細胞を作製することとした。ゲノム編集を行った癌細胞と未編集の癌細胞について、網羅的な遺伝子発現解析を行い比較し、癌促進型マイクロRNAが制御する機能性RNAネットワークの探索を行うこととしている。間質性肺炎合併肺癌において、活性化している分子経路を探索していく。 2020年の成果として、外科的に肺切除を行い、病理学的に診断できた症例の臨床検体を有しており、本臨床検体を用いて、RNAシークエンスを行い、マイクロRNA・蛋白コード遺伝子・非蛋白コード遺伝子の機能性RNAプロファイルを検討することとした。このプロファイルを作成段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
外科的に肺切除を行い、病理学的に診断できた症例の臨床検体を有しており、本臨床検体を用いて、RNAシークエンスを行い、マイクロRNA・蛋白コード遺伝子・非蛋白コード遺伝子の機能性RNAプロファイルを検討する予定で、このプロファイルの検討段階であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAプロファイルの結果をもとに、評価対象とするマイクロRNAを決定し、それを癌細胞に核酸導入し、増殖能・浸潤能・遊走能・アポトーシス誘導などの機能解析を行う。またそのマイクロRNAの阻害剤を肺癌細胞株に加え、同様の解析を行う。 癌促進型マイクロRNAを決定し、そのマイクロRNAをゲノム編集などの遺伝子実験を加えた癌細胞で、網羅的な遺伝子解析を行う。未編集の癌細胞の遺伝子解析と比較することで、マイクロRNAが制御する機能性RNAネットワークの探索を行う。その機能性RNAネットワークを効率的に解析し、肺癌の病態に関する癌促進型遺伝子を検討する。その遺伝子に対しての治療戦略を検討する。
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Causes of Carryover |
RNAシークエンスを行い、マイクロRNA・蛋白コード遺伝子・非蛋白コード遺伝子の機能性RNAプロファイルの検討に時間を割いているため研究の進捗が遅れ、研究費の次年度使用が生じた。次年度の解析に使用していく。
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