2021 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA統合理解に基づく間質性肺炎合併肺癌の分子経路探索と新規治療法の開発
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19K08656
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
眞田 宏樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10837777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
水野 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50531414)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子細胞呼吸器学 / 肺扁平上皮癌 / 間質性肺炎 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌は最も致命的な癌の一つであり、2018年には約180万人の患者がこの病気で死亡した。特に間質性肺炎を合併した肺癌患者の治療選択は限定的であり、患者の予後は極めて不良である。現在、間質性肺炎合併肺癌患者に対する有効な治療法は存在しない。間質性肺炎の経過観察中に、肺癌を発症する症例が少なからず存在することから、両疾患に共通する分子経路が存在することが強く示唆される。我々は以前に間質性肺炎合併肺癌患者における機能性RNA発現プロファイルの統合解析から、コラーゲン合成に関与する分子経路の活性化が、癌細胞の発生と転移に重要な役割を担う事を明らかにした。間質性肺炎は特に小細胞肺癌、肺扁平上皮癌との合併が多いことから、それらの癌種における機能性RNA研究を継続した。 本研究において、小細胞肺癌(SCLC)では、治療抵抗性に至った小細胞肺癌患者の剖検検体から、マイクロアレイを使用してSCLCの遺伝子発現シグネチャを同定し、癌組織でアップレギュレートされた1136個の遺伝子からMCMファミリー遺伝子についての研究を行った。また扁平上皮癌(LUSQ)ではmiRNA-150-3pの発現がLUSQで低下していることを確認し、その調節の対象と考えられる49の遺伝子を同定した。その中で細胞周期調節に関わるHELLS(helicase, lymphoid specific)に着目し、miRNA-150-3pがHELLSを直接制御すること、またsiRNAを用いてHELLSをノックダウンすることで扁平上皮癌細胞株において癌細胞の増殖、浸潤を制御することを確認した。 今回、コロナ禍の影響もあり、間質性肺炎合併肺癌の検体収集が十分ではなかったが、今後も間質性肺炎合併肺癌における分子経路の研究を継続する予定である。
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Research Products
(3 results)