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2020 Fiscal Year Research-status Report

TOLLIPによる蛋白凝集体の分解除去(アグリファジー)とIPF

Research Project

Project/Area Number 19K08666
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

金子 由美  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50646669)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 荒屋 潤  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90468679)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsTOLLIP / 特発性肺線維症(IPF) / 遺伝子多型 / 環境因子
Outline of Annual Research Achievements

①IPF肺組織におけるTOLLIP発現:公開されているマイクロアレイデータベースGES47460を用いて正常肺組織とIPF肺組織でのTOLLIP RNA発現を比較した。正常群と比べIPF群で有意にTOLLIP RNA発現が低下していた。さらに手術肺検体を用いて正常肺組織とIPF肺組織におけるTOLLIP蛋白発現を免疫組織染色にて比較した。IPF肺組織の上皮細胞ではコントロールと比べTOLLIPの発現が低下していた。②気道上皮細胞におけるTOLLIPの役割:喫煙などの刺激による上皮細胞損傷と引き続く異常な修復がIPFの病態に重要である。気道上皮細胞に喫煙刺激により細胞死を誘導した。さらにsiRNAにてTOLLIPをノックダウンし、喫煙誘導上皮細胞死に及ぼす影響を検討した。細胞死はPI、anexin Vを用いてFACSによる評価及びTUNEL染色による評価を行った。喫煙刺激による細胞死はTOLLIPのノックダウンにて増加した。
③アグリゾーム蓄積におけるTOLLIPの役割:IPFでは異常な蛋白、傷害蛋白が蓄積し、その結果、ERストレスが亢進し、細胞死が誘導される。蛋白凝集体(アグリゾーム)はTOLLIPを介して分解、処理されることが知られている。そこで、本検討では上皮細胞における喫煙刺激によるアグリゾーム蓄積を検討し、さらにsiRNAにてTOLLIPをノックダウンし、TOLLIPのアグリゾーム蓄積における役割を検討した。喫煙刺激によりアグリゾームが蓄積し、TOLLIPのノックダウンによりアグリゾームの蓄積はさらに増加した。
[結論]IPF肺の気道上皮細胞ではTOLLIP発現が低下していた。気道上皮細胞においてTOLLIP低下は喫煙による細胞死を促進し、アグリゾームの蓄積を促進した。 TOLLIPはアグリゾームの分解を介してIPFの病態に関与している可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナウイルス感染症による規制により実験資材の調達が遅れ、動物実験に関して充分な検証が出来ない期間が一定程度あったため、研究の進捗が遅れている状況である.

Strategy for Future Research Activity

特発性肺線維症(IPF)の気道上皮細胞では、TOLLIP発現が低下していた。TOLLIP低下は喫煙誘導細胞死、アグリゾーム蓄積を促進し、IPF病態に関連すると考えられ、TOLLIPの発現を制御することがIPFの治療の新たな選択肢となる可能性が示唆される。今後はさらに研究実績を積みIPFにおけるTOLLIP発現低下の、免疫応答、細胞運命、線維化制御などにおける病態規定因子としての役割を検討していく。

Causes of Carryover

コロナウイルス感染蔓延により研究中断を余儀なくされたために経費消費が予定通りに行われなかった。このため次年度使用額が生じた。

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Published: 2021-12-27  

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