2020 Fiscal Year Research-status Report
食塩感受性高血圧における炎症シグナルとネプリライシンのリンパ管再構築に対する意義
Project/Area Number |
19K08670
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 哲也 群馬大学, 医学部附属病院, 教授 (10272238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 善昭 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (80420131)
大上 美穂 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40269048)
住吉 尚子 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90826942)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎間質圧 / 危険因子 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画においては、高食塩食によって、組織間隙に高張性ナトリウム(Na)蓄積が生じ、単核食細胞系細胞における炎症シグナルを介した毛細リンパ管ネットワークの再構築(密度増加と過形成)が引き起こされることを示す。食塩感受性高血圧では、組織でのNa蓄積にともなって、体液の等張性を維持するのにつり合った水分保持が起こる。組織でのNa蓄積については、ラットの高食塩食によって、皮膚間隙に高張性Na蓄積が起こり、毛細リンパ管ネットワークの密度の増加と過形成がもたらされることが報告された。 PPARγヘテロ欠損マウスにおいて内皮依存性血管弛緩反応の低下と尿中一酸化窒素代謝物排泄量の減少を明らかにした。PPARγヘテロ欠損マウスに、インスリン抵抗性改善薬pioglitazoneを投与すると血管内皮細胞機能が回復し、尿中一酸化窒素排泄量も増加した。klothoマウスとPPARγヘテロ欠損マウスの解析結果から、klotho遺伝子、PPARγ遺伝子が血管内皮細胞機能と動脈硬化の進展に重要な意義を有することが明らかとなった。 圧Na利尿を仲介する腎間質圧の調節に一酸化窒素(NO)が重要な役割を有することを報告してきた。高血圧発症における食塩の重要性を腎機能と炎症との関わりから検討する。単に少数の遺伝子発現レベルを検討するのみでなく、TLR4遺伝子やTonEBP 遺伝子、VEGF-C 遺伝子、PPARγ遺伝子などの鍵となる遺伝子に焦点をあてつつ、ゲノム全体を網羅するcDNAマイクロアレイの手法も組み合わせる。遺伝子発現レベルを、疾患モデル動物や培養血管平滑筋細胞において並行して測定し、蛋白質レベルでの検討も加えて、病態発症との関係を解析を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症のまん延による影響を受けたが、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制は、引き続き、良好な状態であり、残りの研究計画を着実に遂行し、充実した成果を上げる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のまん延により、使用が計画通りに進捗しなかったため次年度使用が生じてしまった。遅れた分は翌年度の研究を強力に進めることで、計画通り進捗させる予定としている。
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Research Products
(2 results)