2019 Fiscal Year Research-status Report
メガリンを基盤とするα-klotho、FGF23による新規リン代謝調節機構の解明
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19K08674
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
桑原 頌治 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (70645209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 亮彦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (80293207)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近位尿細管 / リン代謝 / klotho / メガリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メガリン/NaPi2a/α-klotho/FGF23の相互作用による新規リン代謝調節機構を明らかにすることである。これまでの申請者らの検討で、腎特異的メガリンノックアウトマウスの尿中にα-klothoが検出されることを見出していた。α-klothoは本来発現するとき、膜貫通領域を持つ膜タンパク質であるため、切断もしくは排出されてはじめて血液循環にのり、尿中へ排出されることが推察される。また、本研究で、切断が推察される形態のα-klotho (KL1およびKL2)がメガリンと結合することを発見した。そこで次に、膜タンパク質であるα-klothoが血中ないし糸球体濾過時に分断されるのか、つまりどの段階で切断されるのかを検討した。合成したリコンビナントα-klothoの蛍光ラベル体を作成して、腎特異的メガリンノックアウトマウスに投与する実験を立案した。結果、この方法は現時点で期待するような状況になっていない。理由は、リコンビナントα-klotho(全長型)に蛍光ラベルを標識させる課程で、この全長型α-klothoが切断ないし分解されてしまったためである。使う試薬やプロトコルなど、様々な変更や検討をくわえたが、期待される結果は得られていない。 そこで、上記検討を継続課題として、次の課題を進めている。研究代表者は申請時から所属を異動したが、異動先でも同じ培養細胞を利用できる環境を整えることができた。そのため、その培養細胞を用いたメガリン/NaPi2a/α-klotho/FGF23の相互作用によるリン代謝調節系の検討を行っている。また、アイソトープを用いない検討方法として、蛍光物質を用いたリン輸送系の検討方法の確立に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結果概要に記載したとおりであり、実験手法の確率にいたっていない。しかしながら、別の検討をはじめており、そちらは概ね順調に検討を進められているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していた、α-klothoの蛍光ラベル体作成は困難である可能性に直面している。かつての方針では、蛍光ではなく、より高感度のアイソトープ標識も議論をした。蛍光標識の問題であればアイソトープ標識は利用できる可能性が高いが、研究代表者の主な所属機関ではアイソトープを利用することが困難な状況にある。アイソトープ標識体作成の可能性を検討して、必要に応じて、利用可能な機関で作成することを検討している。 また他の検討項目に関してもすでに着手しており、今後もそちらをすすめる。世界的な状況から実験、研究に専念する時間を申請時に想定していた以上に確保しにくい状況にあるが、研究をすすめる時間の確保に務める。
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Causes of Carryover |
初年度、研究代表者は所属を異動した。研究環境の構築に研究費を申請していたが、異動先の研究環境が整っており、想定していたほど物品や試薬を新規購入することなく研究を進められたため、次年度使用額が発生している。次年度は試薬類やチューブなどの消耗品の購入にあてる。
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