2021 Fiscal Year Annual Research Report
腎糸球体ポドサイトにおけるDNA損傷およびエピゲノム変化と腎老化の関連
Project/Area Number |
19K08688
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 香 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60445294)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNA損傷 / DNAメチル化 / ポドサイト / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では腎老化および腎老化をベースとして発症するCKDの病態における、ポドサイトの二本鎖DNA損傷(DNA double strand breaks, DSB)およびDNAメチル化を中心としたエピゲノム変化の役割を、ポドサイト特異的DSB誘導マウスおよび腎生検検体を用いた検討により明らかにすることを目的とした。 まず、ホーミングエンドヌクレアーゼI-PpoIを発現させることにより、ポドサイト特異的に、non-mutagenicにDSBを誘導すると、2歳齢の老齢マウスの組織所見と類似しており、腎老化のモデルとなっている可能性が考えられた。本マウスはその後20週齢前後までに急減期に腎機能が増悪し、半年程度で腎不全により死亡することが分かった。単離ポドサイトでは、RNA-seqでインフラマソーム関連遺伝子発現の上昇を認め、DNAメチル化は全体的に亢進しており、DNAメチル化部位とI-PpoIによるDSB惹起部位からの距離とは、有意な関連性は認めなかった。現在更にポドサイトDNA損傷とDNAメチル化との関連性、メカニズムについて検討を進めている。 また腎生検検体を用いた検討に関しては、当初の計画に沿ってMinor glomerular abnormalities (MGA)および膜性腎症の症例の検体で、二本鎖DNA損傷とDNAメチル 化、腎予後との関連について検討を行った。その結果大変興味深いことに、MGAではポドサイトDNA損傷と尿蛋白量やeGFR slopeが関連していたが、膜性腎症においては全く関連が認められず、腎症のタイプによってポドサイトDNA損傷やDNAメチル化の病態における役割が異なっていることが示唆された。
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[Journal Article] DNA repair factor KAT5 prevents ischemic acute kidney injury through glomerular filtration regulation2021
Author(s)
Akihito Hishikawa, Kaori Hayashi (corresponding author), Akiko Kubo, Kazutoshi Miyashita, Akinori Hashiguchi, Kenichiro Kinouchi, Norifumi Yoshimoto, Ran Nakamichi, Riki Akashio, Erina Sugita, Tatsuhiko Azegami, Toshiaki Monkawa, Makoto Suematsu, Hiroshi Itoh.
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Journal Title
iScience.
Volume: 24(12)
Pages: 103436
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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