2019 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎疾患の進展に伴う時計遺伝子DEC1発現低下の意義と臨床応用に向けた基礎研究
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19K08710
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 冬樹 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (60400131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
藤本 勝巳 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40294566)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50433339)
及川 恒輔 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70348803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / DEC1 / 慢性腎不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト慢性腎不全など病理解剖標本30例を用いて、免疫組織化学的にDEC1、PER1やalpha-SMA発現を解析した。染色には自動免疫染色装置Ventanaを用いた。ほとんどの症例でDEC1は正常腎臓と比べて発現が減少した。alpha-SMAやPER1は増加した。加えて明暗条件下で飼育した6週齢コントロールマウスの5/6腎摘出を行い、高リン給餌したマウス(CKDモデル)の脳と腎を採取した。Western blot法およびreal-time PCRで解析し、CKDモデルでDEC1の発現は減少し、 PER1やalphaSMA発現は上昇した。 以上のことから、in vivoで腎疾患で時計遺伝子の発現異常が起こっていることが示唆された。加えてmRNAおよびタンパク質レベルで発現が変動することから、転写レベルで時計遺伝子発現が制御されることを示唆した。 またDec1ノックアウトマウスを明暗条件下で飼育し、腎や脳を採取し、HE標本を作製した。組織学的にはコントロールマウスと比較して著変はみられなかった。今後のDec1ノックアウトマウスでの解析では、5/6腎摘出などのストレス条件下での解析が必要であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫染色用の標本はおおむねそろった。また、時計遺伝子の解析のための最適な免疫染色の条件検討も、ほぼ終わったのでスムーズに進められる。
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Strategy for Future Research Activity |
明暗条件下でタイムコースによるコントロールマウスでの慢性腎不全モデルマウスや、Dec1ノックアウトマウスやKlotho変異マウスでの解析を行う。行動解析はSuperMexにて行う。
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Causes of Carryover |
次年度に比較的予算のかかる実験機器を購入を考えているため、繰り越した。
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