2020 Fiscal Year Research-status Report
急性腎障害からの遠隔臓器障害に対する善玉経路としての神経免疫応答の検証
Project/Area Number |
19K08721
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
安田 日出夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60432209)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 急性腎障害 / 急性肺障害 / マクロファージ / 脾臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性腎障害(acute kidney injury : AKI)から急性肺障害(acute lung injury : ALI)のリモート作用に腎臓から脳への神経経路(求心路)の役割は少ないことが2019年度の研究で分かったので、2020年度はAKIからALIへのリモート作用の経路として、脳から肺への遠心路を検証した。 神経伝達物質であるアセチルコリンのアゴニストを投与するとAKIによって生じるALIが軽減したことが明らかとなった。このアセチルコリンアゴニストの軽減効果が、脳から肺へ直接つなぐ神経経路か、もしくは脳から脾臓に作用したものかをを明らかにするために脾臓摘出を行なってアセチルコリンアゴニストの効果を検証した。脾臓摘出によってアセチルコリンアゴニストのALI軽減効果は消失したことから、脳から脾臓への神経経路がALIへの軽減効果に関与していることがわかった。次に脾臓内において、アセチルコリンの受け手であるマクロファージがALI軽減効果を担っているかを検証するため、clodronate静脈投与によって脾臓内マクロファージを除去してアセチルコリンアゴニストの効果を検証した。アセチルコリンアゴニストによるALIへの軽減効果は脾臓内マクロファージを除去すると消失することがわかった。 以上より、AKIからALIへのリモート作用を拮抗する経路には、脳から脾臓への自律神経を介したマクロファージの活性化が重要な役割を担っていると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AKIからALIへのリモート作用に自律神経を介した脾臓マクロファージを介した新たな経路を明らかにすることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
脳から肺へ直接つながる自律神経経路及び肺胞マクロファージのALIへの関与の有無を検証していく。
|
Research Products
(1 results)