2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the novel gene modulator PI polyamide targeting protein S as a therapeutic agent for diabetes mellitus and diabetic nephropathy
Project/Area Number |
19K08737
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
常見 明子 日本大学, 医学部, 研究員 (90646035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 高浩 日本大学, 医学部, 兼任講師 (40386008)
阿部 雅紀 日本大学, 医学部, 教授 (70459890)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PIポリアミド / 糖尿病性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎症の発症および進展を直接抑制する治療は未だ確立されていない。活性型プロテインC(APC)の補酵素であり、TAM受容体ファミリーで、抗炎症性効果 をもつMer受容体のリガンドでもあるプロテインSは、糖尿病の病態および糖尿病性腎症の改善効果を認めるが、糖尿病患者では低下している。本研究ではプロテ インSの転写活性を選択的に増加させ、蛋白を増加させるPIポリアミドについて検討した。最終年度は、昨年度行った、C57BL/6Bオスマウスの糖尿病モデルマウス(1)コントロール群(UNx + 0.01%酢酸投与)、(2)0.01%酢酸投与群(UNx + STZ+ 0.01%酢酸投与)、(3)PI ポリアミド投与群 (UNx + STZ+ protein S PIポリアミド投与))について解析を行った。血糖値は、ポリアミド投与群と0.01%酢酸群で差は認められなかったが、血清プロテインSを調べると、PIポリアミド投与群は、酢酸投与群より上昇していた。次に腎臓のmRNAの発現について検討すると、PIポリアミド群において、TGFβ-1と、CTGFの発現が酢酸投与群より有意に低下していた。western blotにおいても、ポリアミド群において、TGFβ-1の低下が認められた。またPAS染色において、酢酸投与群では糸球体内メサンギウム細胞の増殖が認められたが、ポリアミド群では抑制されていた。これらの結果より、プロテインSを増加させるPIポリアミドは、糖尿病性腎症の進展を抑制すると考えられた。
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