2020 Fiscal Year Research-status Report
乳房外パジェット病の病態解明および新規治療法の開発
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19K08753
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浅井 純 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50438222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がんオルガノイド / 乳房外パジェット病 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度に引き続き新たな乳房外パジェット病由来がんオルガノイドの採取、培養に取り組んだ。そして培養に成功したがんオルガノイドを用いて、①がんオルガノイド移植腫瘍マウスの作成、②がんオルガノイドの最適な培養条件の確立、③抗がん剤に対する感受性試験の確立の3つの検討を行った。 ① がんオルガノイド移植腫瘍マウスの作成 全体で12症例の乳房外パジェット病手術検体より腫瘍組織を採取し、そのうちで4例でがんオルガノイドの採取に成功した。そして採取できた4例よりがんオルガノイドをマトリゲルに包埋した後、免疫不全マウス背部皮下に移植したところ、2例より腫瘍の発生が確認された。そして生じた腫瘍よりがんオルガノイドの採取を試み、継代に成功した。 ② がんオルガノイド培養の至適条件の確立 まずDMEM, RPMI, StemProを用いて培養を行ったところ、StemProを用いたオルガノイドのgrowth rateが最も高かった。また、添加物としてHRG, EGF, IGF, bFGF, activinを用いたところ、HRGを添加したオルガノイドのgrowth rateが最も高かった。 ③ 抗がん剤に対する感受性試験 樹立したがんオルガノイドのうち、EMPD-3とEMPD-4を用いて抗がん剤感受性試験を行った・Bortezomib, docetaxel, cisplatin, 5-FUを添加して培養したところ、EMPD-3のオルガノイドではdocetaxelにより増殖が濃度依存的(1ナノM~10マイクロM)に有意に抑制されたが、EMPD-4のオルガノイドでは高濃度(10マイクロM)でようやく有意な抑制効果が得られた。この結果は、抗がん剤の感受性には個体差があることを示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
乳房外パジェット病のがんオルガノイドの樹立、継代に成功し、すでに成果として研究論文が1編採択されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
極めて順調に進んでおり、今後は樹立できたがんオルガノイドを用いて浸潤のメカニズムや担がんマウスを用いた動物実験へと勧めていく予定である。
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Research Products
(1 results)