2021 Fiscal Year Annual Research Report
乳房外パジェット病の病態解明および新規治療法の開発
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19K08753
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浅井 純 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50438222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳房外パジェット病 / がんオルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も前年度に引き続き、乳房外パジェット病症例からのCTOS樹立を行う予定であったが、組織採取に適した症例がなく、新規のCTOS樹立は行えなかった。 2019年度、2020年度に樹立したCTOSを用いてマイクロアレイを施行したところ、乳房外パジェット病において、正常皮膚と比較してAGR2、CRIP1、CRISP3、PPP1R9A、SLC2A10、ERBB4の遺伝子の高発現が認められた。 引き続いて、乳房外パジェット病の増殖、転移に関わっている可能性のある因子としてエクソソームに着目し、過去に乳房外パジェット病での発現が報告されているmiR31-5p、miR31-3p、miR-155について、real time PCR検査にて測定したところ、CTOSではHaCaT細胞と比較してmiR31-5p、miR31-3pともに有意な低下を認めた。miR-155はCTOS、HaCaT細胞ともに検出されなかった。miR31はSATB2を抑制し、上皮間葉転換、浸潤、転移を阻害することが知られているが、今回使用したCTOSはリンパ転移巣から樹立したCTOSであり、すでにmiR31の発現が低下していた可能性、もともと周囲組織(皮膚)が発現しているmiR31が腫瘍(乳房外パジェット病)に作用し、転移や浸潤を阻害している可能性が考えられた。 これらの結果を元に、CTOSにmiR-31を遺伝子導入し、増殖能について検討したところ、miR31遺伝子導入により、c-Myc、Cyclin D1の発現低下が見られた。
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Research Products
(5 results)