2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K08754
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
国本 佳代 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10438278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 伸雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
邊見 弘明 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20451924)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 凍瘡様皮疹 / 自己炎症性疾患 / 新規遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児期から発熱と凍瘡様皮疹を反復する父子例に見出された、IFN調節遺伝子Xの新規ヘテロ変異(父親由来Xaと母親由来Xb)について、これらの遺伝子変異が病的であり疾患責任遺伝子といえるのか明らかにするため、引き続き遺伝子過剰発現系を用いた検証を進めた。293T細胞およびXを欠損するHAP1細胞において、IFNγ刺激によるISREの活性化IFNγ刺激によるISREおよびGASの活性化が誘導されることを確認し、野生型XとXaあるいはXbの過剰発現した場合の活性化の変化を比較したが、いずれも同様の抑制効果が観察された。さらに、XがIRF3の活性化を抑制するとの報告があることから、293T 細胞におけるTRIFおよびIRF3の過剰発現によるIfna4プロモーターの活性化を確認し、野生型XとXaあるいはXbの過剰発現した場合の活性化の変化を比較したが、やはりいずれも同様の抑制効果が観察され、変異による差をとらえることはできなかった。 昨年度に末梢血にUBA1遺伝子のヘテロ変異を見出した64歳発症のVEXAS症候群患者について、さらに唾液や皮疹、筋病変から抽出した遺伝子の解析を行い、それぞれ変異なし、ヘテロ、変異なしという結果から、体細胞モザイクと証明した。さらに、診断不能な好中球性紅斑としてすでに論文報告されていた84歳の症例についても、同じUBA1変異を血液でほぼヘテロに見出すも、唾液では変異なく、体細胞モザイクによるVEXAS症候群と確定診断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者由来不死化B細胞などで観察された、IFN刺激後のSTAT1リン酸化の亢進が、293T細胞やHAP1細胞に遺伝子を過剰発現させた系では再現できず、X変異の機能的意義を示すことができないため、当初行う予定だった変異マウスの作成やタンパク質の作成に踏み出せないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画を1年延長し、患者由来不死化B細胞にてIFNγ刺激後のSTAT1リン酸化に差が出る系において、IRF3などpSTAT1以外の分子の挙動を検討し、Xの作用点を明らかにする。さらに、CRISPR/Cas9の系を用いて、患者由来不死化B細胞のX変異の正常化を試み、IFNγ刺激後のpSTAT1発現が野生型と同じに戻るか検討する。これらの結果から、やはりX変異の病態形成への意義が示唆されれば、変異導入マウスの作成にとりかかる。
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Causes of Carryover |
In vitroの実験にて期待通りの結果が得られず、Xが疾患責任遺伝子だという確信が持てず、当初行う予定だったマウスやタンパク質の作成に至っていないが、それを明らかにするため、新たに患者由来細胞を用いた実験を行うのに使用する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Heterozygous missense variant of the proteasome subunit β-type 9 causes neonatal-onset autoinflammation and immunodeficiency.2021
Author(s)
Kanazawa N, Hemmi H, Kinjo N, Ohnishi H, Hamazaki J, Mishima H, Kinoshita A, Mizushima T, Hamada S, Hamada K, Kawamoto N, Kadowaki S, Honda Y, Izawa K, Nishikomori R, Tsumura M, Yamashita Y, Tamura S, Orimo T, Ozasa T, Kato T, Sasaki I, Fukuda-Ohta Y, Wakaki-Nishiyama N, Inaba Y, Kunimoto K, 他6名
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Journal Title
Nat Commun
Volume: 12
Pages: 6819
DOI
Peer Reviewed