2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K08754
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
国本 佳代 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10438278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 伸雄 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90343227)
邊見 弘明 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20451924)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インターフェロン制御異常症 / 新規遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
父親由来のXaと母親由来のXbの複合ヘテロ変異を持つ患児と両親の末梢血単核球および不死化B細胞を用い、IFNγ刺激後の細胞内STAT1リン酸化の程度をFACSで解析した。末梢血単核球では、患児と父親で無刺激で陽性であり、刺激後は患児で増強した。不死化B細胞では、父親で無刺激で陽性、刺激後は患児と父親とも同程度に増強した。母親はいずれも陰性であったことから、Xb変異はXa変異の機能を修飾する可能性が考えられた。また、末梢血単核球におけるI型IFN応答遺伝子の発現をqRT-PCRで検討した結果、患児と父親では高値であり、患児と父親で発現量に差はなかった。さらに、皮疹の免疫組織学的検討では、患児ではMPO陽性好中球とCD68陽性マクロファージが、父親ではCD68陽性マクロファージとCD4、CD8陽性T細胞が主に浸潤し、pSTAT1の発現は両者ともに陽性で、父親で強く発現が見られた。次に、野生型XとXa、Xb変異遺伝子をそれぞれ発現ベクターに組み込んだプラスミドを作成して293T細胞に導入しXの発現をウェスタンブロットで検討したが、分子量や発現量に差はなかった。これらの細胞を用い、IFNγ刺激後のIFN刺激応答因子(ISRE)とγ活性化配列(GAS)のレポーターアッセイで変異による差異の検出を試みた。293T細胞およびX欠損HAP1細胞を用いたIFNγ刺激16時間後のGAS-LucアッセイとIRSE-Lucアッセイでは野生型X、Xa、Xb変異ともにLuc活性の低下は明らかとなったが、変異による差を見出だせなかった。293T細胞におけるTRIFおよびIRF3の過剰発現によるIfna4プロモーターの活性化を確認し、野生型XとXaあるいはXbの過剰発現した場合の活性化の変化を比較したが、いずれも同様の抑制効果が観察され、変異による差をとらえることはできなかった。
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