2021 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の増殖分化を制御する核タンパク質Ahedの分子機能の解明
Project/Area Number |
19K08773
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
高石 樹朗 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (10303223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (80273621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 表皮角化細胞 / スプライシング / 増殖 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は表皮角化細胞の増殖・分化に関わるAhedの分子機能を明らかにすることである。これまでの研究成果よりAhedはspliceosomeを構成するタンパク質としてmRNAスプライシングに関わることが示唆された。Ahedがspliceosomeでどのタンパク質と直接結合しているのか明らかにする目的で、in vitro transcription / translationにより組換えタンパク質を合成し、免疫沈降―免疫ブロットにより検討を行った。昨年度までに2種のspliceosome構成タンパク質との結合を確認した。今年度は新たに3種のspliceosome構成タンパク質との結合を明らかにした。これらの5種類のタンパク質の中で4種類はイントロンが除かれる際のP complexと呼ばれるspliceosomeを構成し、complex内では互いに近傍に配位すると考えられている。従って、AhedはP complex上でこれらの構成タンパク質と相互作用して、スプライシングの制御に関わることが示唆された。さらに、これらのspliceosome構成タンパク質との相互作用にはAhedペプチド鎖のどの領域が関わっているのか検討したところ、N端側2/3の領域がすべてのタンパク質との相互作用に重要であることが明らかになった。 昨年度までの網羅的な研究により、Ahedはさまざまな遺伝子のスプライシングに関わることが示唆されていた。Cd44あるいはCdk2など細胞増殖に関わる遺伝子のスプライシングがAhed欠損により影響されることをconventional PCRにてあらためて確認した。 以上、Ahedは新規のspliceosome構成タンパク質であることが明らかとなった。
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