2020 Fiscal Year Research-status Report
HDAC阻害剤によるチロシンキナーゼの活性化とCTCLの新規治療への応用
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19K08777
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤井 一恭 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70452571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 格 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (30284061)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HDAC阻害剤 / キノーム解析 / Src |
Outline of Annual Research Achievements |
Histone deacetylase(HDAC)阻害剤によるチロシンキナーゼの活性化について3株の皮膚T細胞リンパ腫の細胞株(HH, MJ, Hut78)と複数のHDAC阻害剤(romidepsin, vorinostat, belinostat)を用いてアレイによるキノーム解析を行った。その結果多くのキナーゼは活性の変化を認めないか一部の実験系でのみ活性化を起こしていたが、annexin A2などごく一部のチロシンキナーゼは細胞腫、薬剤を問わず共通して活性化の亢進を認めた。同定されたキナーゼに関してUniprotやPhosphoSitePlusなどのデータベースを用いてpathway解析を行った。その結果、同定されたキナーゼの多くがSrc経路にかかわる分子であった。またWestern blot法でSrcのリン酸化に関して確認したところ、HDAC阻害剤の刺激によりSrcのリン酸化が誘導されているものが多かった。 Src経路は細胞の生存や増殖にかかわる経路で、抗がん剤に対する薬剤耐性にも関与することが報告されている。そこでSrc阻害剤のponatinibとHDAC阻害剤の1つであるromidepsinを用いて複数の細胞株を刺激したところ、それぞれ単剤で使用した時と比べて優位にアポトーシス誘導効果が増強していた。さらに他の皮膚T細胞リンパ腫の細胞株(Myla, SeAx)においても同様の結果が得られた。 近年HDAC阻害剤とチロシンキナーゼの合剤の開発も進められている。今回の研究で、臨床開発における基礎的な背景に貢献できるデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HDAC阻害剤によるSrc経路の活性化を明らかにすることができ、Src阻害剤を併用することでHDAC阻害剤の抗腫瘍効果が増強することを明らかにすることができた。研究成果に関して学術雑誌に投稿し、受理された。さらにSrc経路の中でも特にHDAC阻害剤によるキナーゼの活性化の亢進を認めた分子に対する阻害剤を用いた研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Src阻害剤によるHDAC阻害剤の抗腫瘍効果の増強が、他のHDAC阻害剤やSrc阻害剤でも誘導することができるのか、またSrc阻害剤によるHDAC阻害剤の抗腫瘍効果の増強にはどのようなメカニズムが関与しているか明らかにする。 2.HDAC阻害剤に対する耐性獲得におけるSrc経路の関与や、獲得耐性株においてSrc阻害剤の果たす役割について明らかにする。
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Research Products
(7 results)