2020 Fiscal Year Research-status Report
皮膚の内因性老化が促進する個体老化の実態と、炎症抑制介入による可逆性の探索
Project/Area Number |
19K08778
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高橋 健造 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80291425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 さやか 琉球大学, 病院, 講師 (70571397)
内海 大介 琉球大学, 医学部, 特命助教 (40551958)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 皮膚老化 / 慢性炎症 / OCX2 / プロスタグランディンE2 / 内因子老化 / 外因性老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線暴露や喫煙など外因性老化とは異なる、皮膚の内因性の自然老化の詳細を世代間の並体結合マウスを用いて解析してきた。その過程で2年を超える成獣マウスの皮膚の自然老化は、プロスタグランディン合成酵素であるCox2や炎症性カスパーゼ1の誘導を伴う持続性炎症が誘導され、fos遺伝子に代表される早期応答遺伝子群の持続発現として高齢マウスの皮膚に発現する帰結であることを明らかにした。 即ち、加齢による内因性皮膚老化は、紫外線暴露などの外因性老化によるプロスタグランディンに代表される慢性炎症と、必ずしも明確に区別できる現象ではなく、介入可能な可逆性の変化であると考えられる。 月齢12月目のマウスを多数準備し、これまでに抗老化作用のあるとされる薬剤とともに、慢性炎症を抑制すると知られている抗TNF抗体製剤(レミケード)、アスピリン、メトホルミン、ラパマイシン、ニコチンアミドモノヌクレオチド、オキサロ酢酸を、半年から1年に渡って多数のマウスに投与し続けた。 現在、薬剤負荷を終了し、各高齢マウスの各臓器をサンプリングしRNAを抽出し、トランスクリプトームデータの解析を依頼している。これまでに我々が発見したプロスタグランディン合成酵素であるCox2や炎症性カスパーゼ1を源流とする皮膚の慢性炎症と皮膚の老化変化に、どの様な影響があり、さらに中枢神経にはどの様な影響をもたらすかの解析をすすめている。これら薬剤により皮膚のみならず、中枢神経や個体自体の老化に影響を及ぼす因子の発現に変化があるかを観察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ジャクソン研究所より市販のCAG-flpxP-Ptgs2 マウスを購入し、表皮角化細胞特異的K5-Cre/Ert マウスと掛け合わせ、皮膚からのプロスタノイドの分泌を消失させたマウスにおける、皮膚老化や全身老化を各々の表現型で追跡する計画もしていたが、ジャクソン研究所が、現在このマウスの販売を中断しており、このマウスの作成は現在中断している。
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Strategy for Future Research Activity |
ジャクソン研究所でのCAG-flpxP-Ptgs2 マウスの立ち上げを待ち、再開されれば購入し、これらを使った実験も計画する。大学の動物実験施設の使用の承認は既にえている。 今後は、抗TNF抗体製剤(レミケード)、アスピリン、メトホルミン、ラパマイシン、ニコチンアミドモノヌクレオチド、オキサロ酢酸を1年に渡って投与したマウスの皮膚の遺伝子発現を網羅的に、無処理群コントロールと比較する。これらマウスの臓器や血清を採取し、マイクロアレーとトランスクリプトームによる解析に供する。血清は流血中の老化因子の濃度の決定に使用する。マウス皮膚にけるCox2やカスパーゼ1の発現や、fos等の遺伝子発現を決定し、薬剤付加のない高齢マウスの検体を比較する。
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Causes of Carryover |
令和2年度は多数のマウスの薬物処理を行い検体を多数処理した。 次年度にこの多数の検体の外注処理が必要であり、予算を繰り越した。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] 後天性血友病Aの2例2020
Author(s)
砂川文, 山口さやか, 深井恭子, 山本雄一, 粟澤剛, 内原潤之介, 高橋健造
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Journal Title
日本皮膚科学会雑誌
Volume: 130
Pages: 2567-2571
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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