2019 Fiscal Year Research-status Report
炎症性皮膚疾患の病態におけるプログラニュリンの役割
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19K08788
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
清島 眞理子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00171314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 陽子 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60759950)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乾癬 / アトピー性皮膚炎 / プログラニュリン |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラニュリン(PGRN)は表皮細胞で発現し、特に乾癬表皮で発現が増加しているが、その意義は不明である。本研究では重要な炎症性皮膚疾患である乾癬およびアトピー性皮膚炎について、患者血清中のPGRN濃度測定、皮疹組織におけるPGRNの発現、培養表皮細胞を用いてPGRNのサイトカイン産生に対する作用を検討する。また、これらの疾患のモデルマウスを作成し、血清中、皮疹の組織中のPGRN濃度を測定する。本研究は乾癬とアトピー性皮膚炎の病態におけるPGRNの役割を明らかにするとともにPGRN及びそのアナログであるAtsttrinを用いた新規治療の開発に寄与すると考えられる。 実際の研究計画としては(1)乾癬、アトピー性皮膚炎患者、健常人の血清中PGRN、GRN、TNF-α濃度測定、(2)乾癬およびアトピー性皮膚炎組織中のPGRNとTNFR2との局在の検討、(3)培養表皮細胞におけるPGRNの作用、(4)乾癬モデルマウスおよびアトピー性皮膚炎モデルマウスにおけるPGRNの検討を予定している。 特に(1)については乾癬、アトピー性皮膚炎患者、健常人の血清PGRN、GRNおよびTNF-α濃度をELISA法により測定する。乾癬患者では重症度マーカーであるPASI (psoriasis area and severity index) スコア、血清IL-8、IL-17、IL-22、IL-23、TNF-α、interferon (IFN)-γ濃度も測定する。乾癬治療(特にTNF-α阻害薬、IL-17阻害薬、IL-23阻害薬など)の経過において血清PGRN、GRN、およびTNF-α濃度を測定し、治療の有効性との相関を検討する。アトピー性皮膚炎治療経過中の重症度マーカー(EASIとSCORAD)および血清IgE濃度、TARC値の推移と血清PGRNとGRN濃度の推移との相関も検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾癬およびアトピーセ皮膚炎患者の血清中のプログラニュリン濃度を測定し、preliminaryではあるが乾癬では上昇し、アトピー性皮膚炎では健常人と変わらないというデータを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は乾癬およびアトピー性皮膚炎組織中のPGRNとTNFR2との局在の検討と培養表皮細胞におけるPGRNの作用の検討を行うとともに、乾癬、アトピー性皮膚炎のプログラニュリン血清中濃度については症例数を増やして検討したい。
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Causes of Carryover |
2020年度に行う予定の実験に用いる試薬を2019年度の費用により購入するため 詳細はプログラニュリンELISAキット、表皮細胞培養用試薬を購入する予定である
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