2021 Fiscal Year Annual Research Report
ω-5グリアジン欠失1BS-18小麦の耐用量と継続摂取による免疫寛容に関する研究
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19K08791
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
千貫 祐子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (00294380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫寛容 / 小麦 / 食物依存性運動誘発アナフィラキシー / ω-5グリアジン |
Outline of Annual Research Achievements |
ω-5グリアジン特異的IgEを有し、小麦接種制限をしている成人小麦アレルギー患者計16例について研究を実施した。ω-5グリアジン欠失1BS-18ホクシンから作成したパン(1BS-18小麦パン)の摂取可能量を確認するステップ1は、15例で問題なく実施できた。1例は50gを連日摂取し7日目に蕁麻疹出現し、患者希望により試験中止となった。 ステップ1を終了した15例について、14例は摂取可能量が60g、1例は40gとなり、この維持量を3ヶ月間継続摂取してもらった(ステップ2)。ステップ2の実施中、1例は蕁麻疹出現により、患者希望で試験中止となった。 ステップ1、ステップ2共に完遂できた14例について、好塩基球活性化試験(CD203c発現定量)や小麦関連抗原(小麦、グルテン、ω-5グリアジン)特異的IgEの測定を実施した。 ステップ2の終了時点で、ω-5グリアジン 1μg/mL添加による好塩基球の活性化率が、14例中6例で開始前より改善、3例で変化なし、5例で悪化し、一定の傾向は認められなかった。さらに、ステップ2の終了6カ月後の時点で、ω-5グリアジン 1μg/mL添加による好塩基球の活性化率が、14例中6例で開始前より改善、4例で変化なし、4例で悪化し、やはり一定の傾向は認められなかった。 小麦関連抗原(小麦、グルテン、ω-5グリアジン)特異的IgEの推移については現在統計解析中である。 ステップ1、ステップ2の実施中、蕁麻疹が出現して試験中止を希望した2症例以外に、特に有害事象はみられなかった。
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