2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K08794
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
寺石 美香 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (40437736)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 喜美子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (20403892)
山本 真有子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (20423478)
柴田 夕夏 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (60795186) [Withdrawn]
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (80273621)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Zeb2 / ユーメラニン / フェオメラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
患者22名および健常人24名の毛髪のメラニン分析を行った。毛髪を可溶化したものをサンプルとし、500nmにおける吸光度を測定してメラニン総量の指標とした。更に毛髪のホモジネートをアルカリ性過酸化水素により酸化して得られるpyrrole-2,3,5-tricarboxylic acid (PTCA)とヨウ化水素酸により還元的水解して得られる4-amino-3-hydroxyphenylalanine (4-AHP)をそれぞれユーメラニン、フェオメラニンのマーカーとした。患者は健常人と比較して500nmにおける吸光度が有意に低く、患者の毛髪はメラニン総量が少ないことが示された。また患者では健常人と比較してPTCAは有意に低く、4-AHPは有意に高かった。以上よりMOWS患者は毛髪のメラニン総量が少なく、ユーメラニン/フェオメラニン比が低く、フェオメラニンの絶対量が多いことが、髪色が茶色いことの理由であると考えた。 次に正常メラノサイトにおけるZeb2のメラニン合成への関与について検討するため、Zeb2siRNAを用いた実験を行った。培養メラノサイトにZeb2 siRNAを用いてZeb2をノックダウンし、メラノサイトの成熟やメラニン合成に関わるMitfやTyrosinase (Tyr)、Tyrosinase-related protein1(Tyrp1)の遺伝子および蛋白発現の変動を調べた。Zeb2 siRNAをトランスフェクトして回収したメラノサイトからmRNAを抽出、RT-PCRにてZeb2, Mitf, Tyr, Tyrp1の発現を評価し、またWestern blotにて蛋白発現を検討した。Zeb2ノックダウンメラノサイトにおいて、24.48, 72時間後いずれにおいてもZeb2蛋白の低下は認めず、Mitf, Tyrosinase蛋白にも影響がみられなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毛髪中のメラニン、ユーメラニン、フェオメラニンの測定を行い、患者の毛髪の色素低下の理由がそれぞれの量、比の違いによるものであることが証明できた。また、メラノサイトを用いてZEB2をノックダウンさせ、メラニン合成に関わる遺伝子の発現の変化について確認を行うこともできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
メラノサイトにsiRNAを用いてZEB2をノックダウンさせたが、発現量を40%ほどまでしか落とすことができなかったことがメラニン合成関連遺伝子の変化にまで結びつかない結果となった可能性があり、更に効率よくノックダウンできる方法を模索し、ZEB2とメラニン合成関連遺伝子の関係について明らかにしていきたい。また、マウスを用いてメラノサイト特異的にZEB2をノックアウトし、毛色の確認、得られたメラノサイトの遺伝子発現の変化などを確認していく予定である。
|
Causes of Carryover |
実験動物の購入や、学会出張を次年度に行う必要があるため、その費用を繰り越した。
|