2019 Fiscal Year Research-status Report
ガドリニウム刺激による皮膚線維芽細胞のリプログラミングの可能性
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19K08799
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
林 周次郎 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00599871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 健 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00372441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 線維芽細胞 / ガドリニウム / 腎性全身性線維症 / CD34 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、希釈したガドリニウム造影剤を培養細胞に負荷すると、細胞数が増加することは解っている。しかし、ガドリニウム造影剤にはガドリニウムイオンの他にもキレートなどが混入しており、純粋なガドリニウムイオンではない。その為、培養液内で本当にイオン化されたガドリニウムが、細胞増殖に影響をもたらしているか不明であった。そこで、まずは、ガドリニウム水溶液の作成を試みたが、一定の濃度に溶解することは不可能であった。その為、工業用に使用さえているガドリニウム硝酸液を希釈して実験に使用し、コントロールには、同じ濃度に希釈した硝酸液を用いて実験を開始した。 実験の開始は、至適濃度のガドリニウム硝酸塩の濃度を規定することから始めた。 実験の至適濃度(未公開)を規定した後、その濃度のガドリニウム硝酸液を付加して、複数回(1-5回)の継代培養を行った。各パッセージの時期で、培養細胞からの蛋白サンプル、mRNAのサンプル採取と、細胞数の測定を行った。mRNAはリアルタイムPCRによって、未分化マーカーとして知られているNanog、Oct3/4、Sox2の発現量を比較した。 いずれのマーカーもパッセージ回数を増やすと発現量が上昇する傾向があった(未公開)。 繊維芽細胞が特徴とする、コラーゲン発現についてイライザ法により測定を試みたが、サンプル間でのばらつきが多く、サンプル調整に今後検討を行うか、他の方法(例えばRIでラベルしたプロリンの取り込み量)により蛋白解析を行うか検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正確なガドリニウムの培養細胞への影響を確認するため、ガドリニウム造影剤ではそのうちどれだけイオン化されているか不明で、一方で安定したガドリニウムイオン液と、実験に適正な濃度を規定するのに、時間がかかってしまい、本来の研究計画から遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験に至適なガドリニウムイオン硝酸液の濃度は、規定できており、さらにその濃度を用いた培養細胞からの、RNA、蛋白サンプルは回収できている。これらをさらに解析する。 その後は、CD34陽性細胞数の測定、未分化マーカーの解析を行う。
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