2023 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病の感染様式に関る分子機構の解明とそれを標的とした感染防御ワクチンの開発
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19K08800
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Research Institution | ヤマザキ動物看護専門職短期大学 |
Principal Investigator |
藤村 響男 ヤマザキ動物看護専門職短期大学, 動物トータルケア学科, 教授 (50209087)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハンセン病 / 感染様式 / 侵入蛋白 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、らい菌の細胞侵入に関わる分子機構につき解析を行い、らい菌がmce1A蛋白を用いて鼻粘膜上皮細胞を標的として感染する事、及びmce1A蛋白の一部領域をブロックすることで侵入を抑制できることを明らかにしてきた。本研究の目的は、ワクチン開発ヘの基礎的検討の最終段階として、らい菌の体内への侵入経路である鼻粘膜細胞とリザーバーである微小血管内皮細胞への侵入に関わる蛋白の各部位を標的とした各種抗体を用いて侵入抑制効果を検討すると共に、ハンセン病患者におけるmce1A蛋白に対する抗体の有無およびサブクラスについても併せ検討するところにある。これまでの研究結果から、らい菌の鼻粘膜上皮細胞への侵入に於いて、mce1A蛋白InvX領域の121~144a.a.が最も重要な領域であることが明らかとなった。昨年度、ハンセン病患者におけるmce1A蛋白に対する抗体の有無をELISA法で検討する為に本領域を含む抗原となる27KDの組換え蛋白を作製し、必要量精製した。今年度はハンセン病の多発地域における血清の収集の為、インドネシア共和国を訪問し、予備調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックにより現地調査が延期されていた間に、予定していた調査地域に於いてCOVID-19により多くのヒトが亡くなり家族内発症例に関しては、血清の採取が困難となり、新たな調査地域を選定する必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現地のカウンターパート大学(ハサヌディン大学医学研究センター) と連携して予備調査を行い、新たな調査区域を設定した。次年度に新たに設定した調査区域で現地調査を行い、家族内発症例を含めた検体の採取し、mce蛋白に対する抗体の有無とサブクラスについて検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックにより調査地域の再設定と変更を余儀なくされ、現地調査を次年度に実施することにしたことによる差額である。予備調査に基づき、速やかに現地調査を実施する。
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