2021 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼ阻害剤による動脈硬化促進に関わるバイオマーカーの網羅的探索研究
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19K08809
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小野 孝明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40402276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 孝行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70509463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チロシンキナーゼ阻害薬 / 心血管イベント / 動脈硬化 / マクロファージ / CD36 / Sortilin |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に関連した心血管イベント発症の要因を推察するため動脈硬化モデルマウスにイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ(DAS)を投薬し、動脈硬化病変を組織学的に評価した。その結果、DASでは動脈硬化病変の抑制を認めたが、他のTKIでは変化はなかった。次に各TKIと血管内皮障害との関連性を評価した。動脈硬化モデルマウスに各TKIを投薬し、血管内皮細胞を単離してRNA抽出を試みたが、実験手技の確立が困難であった。そこで、DASで動脈硬化病変が抑制される機序についてさらなる検討を行った。DASでは動脈硬化が抑制されるにも関わらず、血清コレステロール値の上昇がみられたことから、その取り込みが障害されている可能性を推察した。そこで各TKI暴露下で骨髄由来マクロファージにおける酸化LDLの取り込みを評価した。その結果、DAS暴露下でのみ酸化LDL取り込みが抑制された。次に、DASを投薬したマウスから腹腔マクロファージを分離し、リアルタイムPCR法でスカベンジャー受容体であるCD36の発現を比較した。その結果、ダサチニブを投薬した場合ではCD36の発現低下が認められた。さらに、腹腔マクロファージに直接DASを暴露したところ同様にCD36の発現低下が認められた。以上からダサチニブはマクロファージに発現するCD36の発現低下を介して酸化LDLの取り込みを障害していると推察した。またRNAシーケンスを用いてDASがコレステロール代謝に与える影響を網羅的に探索した。その結果、コレステロールの取り込みと排出の両者に重要な役割を果たすsortilinの発現が低下していた。この結果はウェスタンブロッティングでも確認された。
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[Presentation] Efficacy and Safety of Bosutinib in Japanese Patients with Newly Diagnosed Chronic Phase Chronic Myeloid Leukemia: Final 3-Year Results of a Phase 2 Study.2021
Author(s)
Ono T, Hino M, Matusmura I, Fujisawa S, Ishizawa K, Sakaida E, Sekiguchi N, Ono C, Aizawa M, Tanetsugu Y, Koide Y, Takahashi N
Organizer
American society of hematology (ASH) Annual Meeting & Exposition Atlanta, USA,
Int'l Joint Research