2019 Fiscal Year Research-status Report
白血病幹細胞に対するDNA修復関連分子を標的にした新規治療法の開発
Project/Area Number |
19K08823
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐川 森彦 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (70424158)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / DNA修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 急性骨髄性白血病は難治性の造血器腫瘍である。治癒を目指して造血幹細胞移植を必要とする患者は多いが、高齢患者を中心に移植適応外の患者も少なくなく、さらに移植を行なってもなお難治に至る患者も一定数存在する。治癒を目指すためには、抗癌剤への治療抵抗性を示す白血病幹細胞を標的とした治療法の開発が急務である。 当方での予備的解析において、急性骨髄性白血病ならびに白血病幹細胞ではDNA修復機構に関連する遺伝子群の高発現が認められた。本研究では、まずそれら遺伝子群のうちRibonucleotide Reductase (RR) large subunit (M1) およびRR small subunit (M2)を急性骨髄性白血病細胞株にてウィルスベクターを用いた遺伝子knockdownの手法でin vitroでの解析を行った。解析手法としてはmicroarrayなどによるスクリーニングを行った上で、定量RT-PCR法やWestern blot法などにより検証を行った。 また現在新規特異的薬剤の開発を研究協力者とともに取り組んでいる。リード化合物としている代謝拮抗薬のClofarabineはリンパ性腫瘍の治療薬として上梓されている薬剤であるが、今回の我々の実験では急性骨髄性白血病細胞株において、定量RT-PCR法やWestern blot法での検証にて、前述のknockdownの手法での解析と同様の結果となっており、特異的薬剤にも期待するところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroでの研究は比較的順調に経過していたが、in vivoの実験準備中の本年3月頃よりCOVID-19流行に伴う自粛およびマウスの流通困難が重なってしまい、さらには研究室の使用も学内の規定に則り一時中断をせざるを得なかった。6月になり研究室の使用も徐々に解禁されており、実験を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策 In vitroの実験は、白血病患者検体使用や新規化合物を用いた実験を再開する予定である。 In vivoの実験は研究室の全面再開ならびにマウスが手に入る状況になった段階で開始の予定である。ただし、流行の再燃に伴い予定通りの実験ができない可能性も鑑み、マウスの実験については本来予定したknockdownした白血病細胞を移植する実験系は時間的余裕がある場合に留め、白血病細胞移植マウスに対し新規薬剤の効果判定を行う実験を優先する方針へと変更していく。
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