2021 Fiscal Year Annual Research Report
RUNX1による造血幹細胞分化プロセスの解明と新たな分子標的薬の開発
Project/Area Number |
19K08845
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
忠垣 憲次郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30416268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30291587)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RUNX1 / 転写因子 / プロモーター / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究では造血関連転写因子であり白血病発症に深くかかわるRUNX1が、どの様に自身の転写を受けているのか解明を試みた。 まずRUNX1プロモーター領域(P1とP2)に結合する転写因子を予測データベース(JASPAR)に基づいて検討し、3種の新規候補転写因子を選定した。そこでこれら3種(A,B,C)の候補転写因子によるP1及びP2の転写活性化能をレポーターアッセイにて検討したところ、確かに3者ともにこのプロモーター配列に影響することが判明した。すなわちA遺伝子の過剰発現ではP1が促進され、他方P2は抑制された。また、B,C遺伝子の場合は、いずれも、P1とP2共に抑制した。 そこで次に細胞レベルでの確認実験を行った。A遺伝子を慢性骨髄性白血病由来細胞株に過剰発現させると内因性のRUNX1遺伝子の発現を促進することが確認できた。ただし急性リンパ芽球白血病由来細胞ではこの効果を観察することはできず、現在再検討中である。一方、B,C遺伝子の導入ではいずれの細胞においても内因性RUNX1の発現が抑制されることを見出し、レポーター実験の結果が裏打ちされた。さらに、クロマチン免疫沈降法によって、これら3者のRUNX1のP1プロモーター領域への結合を確認することができた。 以上のように、今回in silicoデータベース検索で見出した3種の新規転写因子はいずれもRUNX1の発現制御に実際に関与することが示された。今後、その生物学的意義解明や造血器疾患治療の新規分子標的としての吟味へと研究を展開してゆきたい。
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Research Products
(4 results)