2021 Fiscal Year Annual Research Report
造血転写制御への新規介入方法の探索とその臨床応用に向けた研究
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19K08846
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30291587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 康通 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30590327)
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RUNX1 / AML1 / 白血病 / 造血発生 / 転写調節 / TRAIL / C11orf21 / Yeast two hybrid |
Outline of Annual Research Achievements |
造血発生において転写制御の中心的役割を担う一群の転写因子が存在するが、こうした分子の多くは造血器腫瘍発生における遺伝子変異の標的となっている。当該研究計画では、このような造血関連転写因子の一つであるRUNX1に焦点を絞り、その機能の詳細解明や制御手段の検討を展開している。当該年度の実施概要は以下の通り。①マウス成体や胎生中期胚由来cDNAライブラリーを用いたYeast-Two Hybrid Screeningを繰り返すことによって複数のRUNX1会合クローンを得ている。うち哺乳細胞内での会合を確認したある分子は既知蛋白リン酸化酵素であったが、そのconstitutive active変異体を野生型RUNX1と共発現させると、RUNX1による転写活性化機能が顕著に更新することを見出した。RUNX1の新規機能調節機構を見出した可能性あり、その詳細を詰めているところである。②RUNX1に会合する新規RUNX1阻害分子である、“CRP1”、については、マウスコロニーの拡充を行って個体レベルでの確認作業を行っている。CRP-1遺伝子改変マウスのサザン解析法の安定化に手間取ったが、それも克服し、いよいよ最終段階となった。③RUNX1の新規転写標的遺伝子の探索については、本年度はこのプロジェクトに重要な進展があった。新たにcandidate approachによってTRAILを、そしてRNA-seqの公的データベースの再解析アプローチによってC11orf21をそれぞれ新規RUNX1標的遺伝子として特定することができ、いずれも論文発表を行った。 以上のようにRUNX1機能調節メカニズムや作用のメディエーターを少しずつ解明してきており、遠からず、この分子を治療標的として利用する方法を確立できるものと期待している。
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