2019 Fiscal Year Research-status Report
経口抗凝固薬(DOAC)が示す抗腫瘍作用の分子薬理的研究
Project/Area Number |
19K08850
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (70077808)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DOAC / Xa因子 / PAR-2 / PAR-1 / PAR-2-KOマウス / 抗腫瘍作用 / 癌細胞の増殖 / 癌細胞の転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
① Xa因子特異的DOACと既存の抗癌薬の抗腫瘍作用に関する分子薬理的解析 既存の抗癌薬には細胞傷害性抗癌薬(癌細胞のDNA損傷を起こすプラチナ製剤やアルキル化薬など)および分子標的抗癌薬(細胞膜増殖因子受容体や免疫制御因子などに対する抗体薬など)があるが、Xa因子特異的DOACは既存の抗癌薬と異なり、癌細胞と担癌マウスの双方の細胞膜PAR-2のXa因子による活性化を拮抗阻害して癌細胞の増殖と転移を抑制すると考えられるが、詳細な作用機序は明らかでない。そこで、2019年度は、PAR-2活性化に関わる種々のシグナル伝達系因子の解析、細胞分裂関連因子の変動、腫瘍組織における血管新生やアポトーシスの有無などを解析し、既存の抗癌薬による腫瘍関連因子の変動と比較し、DOACの薬理作用を解析していたが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で緊急事態宣言が発令され、学生の大学登校自粛が要請されたため、実質的な研究活動は中止している。 また、DOACの転移阻害作用については、メラノーマ細胞接種マウスを用いてメラノーマ細胞の転移に及ぼすDOACの影響を解析中であったが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で研究活動は中止している。 ② PAR-2欠如癌細胞の増殖と機能変化に及ぼすXa因子刺激の影響の分子薬理的解析 PAR-2欠如癌細胞を作製し、無処置癌細胞について各細胞の増殖・転移関連分子の発現動態に及ぼすXa因子特異的DOAC、抗PAR-2抗体などの影響を解析する準備を進めていたが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で研究活動は中止している。 なお、2020年度以降に計画しているPAR-2-KOマウスは2019年度に購入し、現在動物舎で飼育し、頭数を増やしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、PAR-2活性化に関わる種々のシグナル伝達系因子の解析、細胞分裂関連因子の変動、腫瘍組織における血管新生やアポトーシスの有無などを解析し、既存の抗癌薬による腫瘍関連因子の変動と比較し、DOACの薬理作用を解析していたが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で研究活動は中止している。 また、DOACの転移阻害作用については、メラノーマ細胞接種マウスを用いてメラノーマ細胞の転移に及ぼすDOACの影響を解析中であったが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で研究活動は中止している。 さらに、PAR-2欠如癌細胞を作製し、無処置癌細胞について各細胞の増殖・転移関連分子の発現動態に及ぼすXa因子特異的DOAC、抗PAR-2抗体などの影響を解析する準備を進めていたが、2020年2月末から新型コロナウイルス感染蔓延の影響で研究活動は中止している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、学生の大学登校が許可され次第、前年度及び今年度に予定していた実験計画を6月下旬頃から再スタートする予定である。 また、2020年度には、前年度に購入・飼育し、頭数を増やしてきたPAR-2-KOマウスを用いた解析を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は10,417円の未使用額が生じたが、この経費は次年度の研究費として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)