2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of familial platelet disorder based on the novel function of RUNX1
Project/Area Number |
19K08852
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 貴紘 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (00553661)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 家族性血小板異常症 / メチローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では家族性血小板異常症(FPD)由来iPS細胞を用いて、全ゲノムメチローム解析によりこれまで知られていない新たなFPD発症機序を解明することを目的にした。これまでにFPD患者由来のiPS細胞は国内外で数株樹立の報告があるが、権利関係・倫理関係の問題から入手が困難であったため、正常iPS細胞にCRISPR/CAS9システムを用いて、これまでFPDで報告のある変異を導入したFPDモデルiPS細胞を3株樹立した。 樹立したFPDモデルiPS細胞をin vitroで造血前駆細胞に分化誘導したところ、すべての株で分化障害が確認された。特に1株はほとんど造血前駆細胞に分化することができなかった。造血前駆細胞に分化することのできた2株をさらに巨核球への分化誘導したところ、巨核球分化効率に低下がみられた。分化誘導した造血前駆細胞を1細胞RNAシークエンシングで詳細に解析した結果、造血前駆細胞の段階で若干の分化方向への偏りが観察された。これらの表現型はFPDの病態と矛盾せず、変異を導入したiPS細胞はFPDのモデルとなりうることが示された。 FPDモデルiPS細胞から分化誘導した造血前駆細胞を用いてEnzymatic Methyl-seqで全ゲノムメチローム解析を行った。正常のiPS細胞と比較して、FPDモデル細胞では多くのDNAメチル化異常が生じていることが確認された。特に、それらの異常部位には特定の転写因子の結合配列が有意に濃縮しており、FPDでは転写因子よるDNAメチル化制御機構に異常が生じている可能性が示唆された。
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