2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K08862
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 康敬 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30533848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 純一 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (80464246) [Withdrawn]
高森 弘之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80792077)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 発作性夜間ヘモグロビン尿症 / PNH / 補体 / 血管内溶血 / 血管外溶血 / 補体疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体制御因子であるCD55,CD59を含むGPIアンカー型タンパク質を欠損することで、PNH赤血球は補体の攻撃に脆弱となり血管内溶血を来たす疾患である。抗C5抗体薬であるエクリズマブにより血管内溶血は有効に阻止されるが、補体活性化経路においてC5の上流に位置するC3がPNH赤血球上に蓄積し、血管外溶血を来すことで貧血の改善が不十分な症例の存在も判明してきた。PNHの補体活性化経路の主体は第2経路にあると考えられており、近年補体第2経路や補体活性化の中心であるC3に対する阻害薬が臨床開発中である。本研究の目的はPNHに対する抗補体薬として、どの補体分子を標的とすることが最適かを評価することである。本年度は抗プロペルジン抗体の、補体活性化各経路への影響をPNH患者、健常者の血清を用いて評価した。エクリズマブは終末経路を阻害するため、いずれの経路も活性化を阻止した。抗プロペルジン抗体は第2経路を阻害したが、古典経路、レクチン経路には影響を与えなかった。これまでの結果から、PNH患者に対する新規抗補体薬として、補体第2経路の単独阻害により十分な血管内・外溶血の阻害が期待され、また血中のプロペルジン濃度は補体C3、C5と比較しても大幅に低いことから、抗体薬として良好な薬物動態が期待出来た。また第2経路阻害薬は、古典経路、レクチン経路には影響を与えないため、補体経路全体に影響するC3阻害や、終末経路を阻害するエクリズマブなどのC5阻害薬に比べ、感染症のリスクの点で有利と考えられた。PNHに対する新規抗補体薬の標的分子として、第2経路を構成するB因子、D因子、プロペルジンが有望と考えられ、特にプロペルジンは最適なものの一つと考えられた。今後抗プロペルジン抗体を含む第2経路阻害薬の臨床開発への取り組みを進める予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] Clinical Significance of Small PNH-Type Cell Populations in Bone Marrow Failure Syndromes - an Interim Analysis of Japanese Multicentrer Prospective Study -2021
Author(s)
Yasutaka Ueda, Kohei Hosokawa, Ken Ishiyama, Hiroyuki Takamori, Yuji Yonemura, Naoshi Obara, Hideyoshi Noji, Kiyoshi Ando, Tsutomu Shichishima, Takayuki Ikezoe, Shigeru Chiba, Haruhiko Ninomiya, Tatsuya Kawaguchi , Jun-ichi Nishimura , Yuzuru Kanakura and Shinji Nakao
Organizer
63rd American Society of Hematology Annual Meeting
Int'l Joint Research
-
-