2019 Fiscal Year Research-status Report
小児ホジキンリンパ腫の病態解明による治癒率のさらなる向上への試み
Project/Area Number |
19K08867
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 友紀 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60398071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 宏彰 九州大学, 大学病院, 助教 (80839051)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ホジキンリンパ腫 / 小児がん |
Outline of Annual Research Achievements |
小児HLは小児がんの中でも治療成績のよい疾患の一つである一方で、二次がん発症率が最 も高く、細胞性免疫不全の存在が示唆されている。また、アジアにおける小児HLの発症率は 欧米と比し極端に低く、日本では年間15例程度にとどまっている。これらよりHL発症者に細 胞遺伝学的な個体差があることが推測されているが、その詳細はわかっていない。 2015年より申請者を研究代表者として、日本初となる小児HLに対する前方視的第II相臨床 試験(HL-14)が開始され、HLの臨床背景が初めて明らかになる見込みである。近年、分子 標的薬や抗PD-1抗体療法の有用性が示されている。本研究では腫瘍細胞、bystander細胞と 末梢血の網羅的遺伝子解析を行うことにより、腫瘍に適応化された免疫不全状態の実態を解 明し、これらを改善させる因子を同定する。本成果は、HLに対する免疫療法を最大限に引き 出す治療法確立に資するものと期待され、次期アジア国際試験につなげたいと考えている。 2019年度においてはHL-14登録終了を迎え、検体処理と血清サイトカイン分析の準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児HLは小児がんの中でも治療成績のよい疾患の一つである一方で、二次がん発症率が最 も高く、細胞性免疫不全の存在が示唆されている。また、アジアにおける小児HLの発症率は 欧米と比し極端に低く、日本では年間15例程度にとどまっている。これらよりHL発症者に細 胞遺伝学的な個体差があることが推測されているが、その詳細はわかっていない。 2015年より申請者を研究代表者として、日本初となる小児HLに対する前方視的第II相臨床 試験(HL-14)が開始され、HLの臨床背景が初めて明らかになる見込みである。近年、分子 標的薬や抗PD-1抗体療法の有用性が示されている。本研究では腫瘍細胞、bystander細胞と 末梢血の網羅的遺伝子解析を行うことにより、腫瘍に適応化された免疫不全状態の実態を解 明し、これらを改善させる因子を同定する。本成果は、HLに対する免疫療法を最大限に引き 出す治療法確立に資するものと期待され、次期アジア国際試験につなげたいと考えている。 2019年度においてはHL-14登録終了を迎え、検体処理と血清サイトカイン分析の準備を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
①cytokine FACS(CBA (Cytometric Bead Array))による血清中サイトカイン測定: 既報である TARC 他、血清中のアポトーシス関連分子、サイトカイン・血管新生に関連 する分子を Human Th1/Th2 Cytokine Kit, Human Chemokine Kit, Human Imflammation Kit, Human Angiogenesis Kit を用いて測定する。 ② FACSによるリンパ球表面マーカー測定: T細胞の体内分布不均衡、RS細胞を取り囲む 浸潤細胞の特徴を把握する目的で、患者全血および骨髄のフローサイトメトリー(T, BおよびNK細胞に対するモノクローナル抗体を用いたリンパ球の表現型分析)解析を 施行。S1P1他、T,B, NK, MonocyteなどのLieneage markerの他、CD4/8比、CD45RO、H LA-DR、CD25などの活性化抗原、TCR repertoire、Immunogloburin について検討する。また、③ 次世代シーケンサー解析、④ マイクロダイセクション手技を用いたRS細胞の抽出、マイクロアレイについても準備を行う。
|
Causes of Carryover |
2019年においては臨床情報収集、検体処理、サイトカイン分析準備に費やしたため、予算執行が行われなかった
|
Research Products
(1 results)