2020 Fiscal Year Research-status Report
ATLに対する個別化治療:MTAPを指標としたPRMT5阻害剤による治療の開発
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19K08868
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今泉 芳孝 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40404305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 恒史 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (90571357)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ATL / PRMT5 / MTAP |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は、欧米と比べ日本に多い血液がんの一種であり、予後不良な疾患である。ATLに対する新規治療法の開発を目的として本研究を実施している。 Methyolthioadenosine phosphorylase(MTAP)遺伝子は、9番染色体単腕(9p21)に位置し、近傍のがん抑制遺伝子CDKN2A 遺伝子とともに様々な悪性腫瘍で欠損が報告されている。ATLにおいても、一部の患者でMTAP 遺伝子の欠損や、MTAP mRNA発現低下を認めることが知られている。最近、MTAP 遺伝子欠損腫瘍細胞における治療標的としてProtein arginine methyltransferase 5(PRMT5)が同定された。PRMT5は腫瘍細胞の生存や増殖に関わる分子であることがしられている。すでに他のがん種ではPRMT5阻害剤の有効性が報告され、PRMT5を標的とした創薬を目指した研究が進められている。 本研究では、ATLに対するPRMT5阻害薬の効果を検証するとともに、PRMT5阻害薬の効果とMTAP欠損の関連の検証を行う。さらに、ATLに対するPRMT5阻害薬の作用機序を詳細に検討することにより新たな標的分子を同定し、ATLに対する新規治療を開発することを目標としている。 令和2年度までに、ATL細胞株を用いた検討によって、PRMT5阻害薬による細胞死の誘導や細胞周期の抑制作用を介したATL細胞の増殖抑制効果を確認した。さらに、網羅的な遺伝子発現解析によって、RPMT5阻害薬によるATL細胞の増殖抑制効果に関わる標的分子やシグナル経路を検討し、候補分子を同定した。 令和3年度は、ATLに対する新規治療法の開発を目指して、臨床検体を用いたPRMT5阻害薬の効果の検証、および、PRMT5阻害薬の効果とMTAP欠損の関連の検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、PRMT5阻害によるATL細胞増殖抑制効果について、ATL患者由来細胞株を用いた実験を行い、分子機序の解析および分子標的の同定に重点をおいて研究を行った。 昨年度から継続して、ATL細胞株をPRMT5阻害薬で処理した際のトランスクリプトーム解析および定量PCRとウエスタンブロット法を用いた検討を行った。RPMT5はSM蛋白のメチルかを介してRNA splicingに関与することが報告されているため、令和2年度はさらにreplicated Multivariate Analysis of Transcript Splicing(rMATS)アッセイを追加した。その結果、PRMT5阻害薬の標的分子としてprolyl-hydroxylase 2(PHD2)を同定した。そこで、ATL細胞株に対するPHD2阻害薬の作用を検討したところ、PHD2阻害薬によるATL細胞増殖抑制効果及びPRMT5阻害薬との併用による相乗効果を示した。以上から、PHD2阻害薬はATLに対する新たな治療薬となる可能性が示された。 一方で、PRMT5の作用機序の解明を優先して行ったため、MTAPの発現レベルとPRMT5阻害薬の効果の関連に関する検討や、ATLの臨床検体を用いた検討は十分に行う事ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度までの研究で、PRMT5阻害薬のATLに対する増殖抑制効果におけるPHD2の関与を明らかにし、さらに、PHD2阻害薬によるPRMT5阻害薬との相乗効果を確認することができた。令和3年度もATLに対する有効な新規治療法の開発を目指して引き続き研究を推進する。 令和3年度は、既に収集した臨床検体を用いてMTAPの発現レベルとPRMT5の効果の関連について、mRNA・タンパク両方のレベルでの検討を引き続き進める。検討症例数を増やすために、JSPFAD(HTLV-1感染者コホート共同研究班)からの検体供給も受けることを計画している。さらに、PRMT5阻害剤とMTAP発現状況との関連を検討するために、細胞株を用いて、MTAP発現抑制/強制発現によるPRMT5阻害剤への感受性の変化についても実験を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Mogamulizumab for adult T-cell leukemia-lymphoma: a multicenter prospective observational study2020
Author(s)
Yonekura K, Kusumoto S, Choi I, Nakano N, Ito A, Suehiro Y, Imaizumi Y, Yoshimitsu M, Nosaka K, Ohtsuka E, Hidaka M, Jo T, Sasaki H, Moriuchi Y, Ogata M, Tatetsu H, Ishitsuka K, Miyazaki Y, Ueda R, Utsunomiya A, Ishida T.
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Journal Title
Blood Adv.
Volume: 27
Pages: 5133-5145
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Treatment with mogamulizumab or lenalidomide for relapsed adult T-cell leukemia/lymphoma after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation: The Nagasaki transplant group experience2020
Author(s)
Sakamoto H, Itonaga H, Sawayama Y, Furumoto T, Fujioka M, Chiwata M, Toriyama E, Kasai S, Nakashima J, Horai M, Kato T, Sato S, Ando K, Taguchi J, Imaizumi Y, Yoshida S, Hata T, Moriuchi Y, Miyazaki Y.
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Journal Title
Hematol Oncol.
Volume: 38
Pages: 162-170
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] A high-throughput detection method for the clonality of Human T-cell leukemia virus type-1-infected cells in vivo2020
Author(s)
Saito M, Hasegawa H, Yamauchi S, Nakagawa S, Sasaki D, Nao N, Tanio M, Wada Y, Matsudaira T, Momose H, Kuramitsu M, Yamagishi M, Nakashima M, Nakahata S, Iha H, Ogata M, Imaizumi Y, Uchimaru K, Morishita K, Watanabe T, Miyazaki Y, Yanagihara K.
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Journal Title
Int J Hematol.
Volume: 112
Pages: 300-306
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 再発・難治成人T細胞白血病リンパ腫に対するmogamulizumab単剤療法2020
Author(s)
中島 潤,今泉 芳孝,坂本 光,鳥山 愛生,北之園 英明,加藤 丈晴,蓬莱 真喜子,牧山 純也,佐藤 信也,安東 恒史,澤山 靖,吉田 真一郎,波多 智子,森内 幸美,宮﨑 泰司
Organizer
第82回日本血液学会学術集会
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