2021 Fiscal Year Research-status Report
TLR7制御によるSLEの病態解明と新規抗体治療薬の開発
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19K08892
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
天野 浩文 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50318474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SLE / TLR7 / 新規治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
①当院の全身性エリテマトーデス(SLE)患者末梢血の単核球(PBMC)を用いて、数種類作成された抗TLR7抗体の中でより感受性と特異性が高い抗TLR7抗体をフローサイトメトリーで評価を行った。その中で、より特異性が高いと思われる3種類のモノクローナル抗体を用いて末梢血単核球の解析を行い、異なる免疫担当サブセットで発現を調べた。その結果、骨髄球系の細胞集団においてTLR7の発現がSLE患者で高いことを確認した。さらに好中球~単球サブセットにおいて高発現していることを確認した。いくつかのサブセットにおいては、細胞内のみならず、細胞表面にもTLR7の発現を認めたことを確認した。また、SLE患者保存血清を用いてSLE患者血清中の可溶性TLR7の発現をサンドイッチELISA法により解析した。SLE患者血清では健常者と比べて可溶性TLR7の発現は低い結果となった。これらのSLE患者の病態、病期、治療薬について臨床データと合わせて解析し、さらに高感度の測定法による解析を加え、健常者と比較ている。TLR8については、SLE患者と健常者では有意な差は認めていない。血清中のインターフェロンα、IL-10を測定に加え、TLRとの関わりや変動についても解析している。 ②SLEのモデルマウスに対する抗TLR7抗体投与による研究を同時に行っている。TLR7は通常は細胞内に存在しているが、前述のようにSLEでは細胞表面にも発現し、病態形成に影響している可能性があり、in vivoでの効果を確認した。その結果腎炎を著明に抑制し、生存率を延長させたことを確認し、論文として発表した。将来的に抗ヒトTLR7抗体が新規治療薬として使用され有効性を示す可能性が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトにおける解析結果から、マウスへの抗体治療へつながり、充分な有効性を示したことから、新規治療薬としての開発へ前進したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトでのTLR7の解析を継続しながら、どういったSLE症例でよりTLR7の依存性が高いのかを確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、旅費が大幅に削減されたこと、緊急事態宣言下にあり、十分な時間と労力を研究に割くことことが困難であったため。 研究を再開し、得られた結果をもとに学会報告を行い、論文化していく。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 本人集団におけるXL9領域バリアントおよびHLA-DRB1*15:01と全身性エリテマトーデスの関連解析.2022
Author(s)
川崎綾, 近藤裕也,藤本隆, 松本功, 草生真規雄, 天野浩文, 田村直人, 草薙恭圭, 伊藤健司, 住田孝之, 土屋尚之
Organizer
第66回日本リウマチ学会総会・学術集会