2020 Fiscal Year Research-status Report
マスト細胞を介したシェーグレン症候群唾液腺炎メカニズム解析と治療への応用
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19K08898
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
海江田 信二郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (20330798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 友昭 久留米大学, 医学部, 教授 (00261066)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / マスト細胞 / 唾液腺炎 / 組織線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
マスト細胞による線維芽細胞機能修飾を介した線維化促進メカニズム解析について研究を進めている。マスト細胞による線維芽細胞活性化についてhuman mast cell line-1とhuman fibroblastの共培養実験を行い、マスト細胞と7日間共培養を行ったfibroblastはCol1a mRNA遺伝子の有意な発現上昇を認め、繊維化能促進的に作用することが示唆された。さらにわれわれはマスト細胞をIL-33およびSCFで24時間刺激し、その後24時間さらにマスト細胞を無刺激で培養し、その培養液を回収、mast cell-conditioned mediumとしてfibroblastへの培養に用いた。Mast cell-conditioned mediumで培養したfibroblastは共培養実験と同様にCol1a mRNA発現上昇を認めたため、マスト細胞由来の液性因子がfibroblastのCol1a発現上昇に関与することが明らかになった。Mast cell-conditioned mediumを希釈するとその希釈倍率に反比例してCol1a mRNAの発現は上昇し、マスト細胞由来液性因子の関与が強く示唆された。組織線維化を強く促進する因子としてTGFーβが注目されており、そのマスト細胞における発現について検討を行った。マスト細胞(HMC-1)をrecombinant IL-33およびSCFで刺激するとTGFB mRNAの発現が有意に上昇することをRTPCR実験で確認した。マスト細胞由来TGFβがfibroblastの線維化促進に作用し、唾液腺炎の組織線維化に作用すると仮説を立て、今後mast cell-conditioned mediumを用いた線維芽細胞培養実験にTGFβ中和抗体を用い、その関与について検討を行う。また唾液腺炎局所のマスト細胞のTGFβ発現について蛍光免疫染色などを行いさらなる解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マスト細胞由来可溶性因子が線維芽細胞におけるコラーゲン産生を誘導し、組織線維化促進的に作用する実験結果を得た。候補因子としてTGFβを考え中和抗体を用いた実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
Mast cell-conditioned mediumを用い、マスト細胞由来線維化促進可溶性因子の同定を候補因子の中和抗体を用いて進めていく。Mast cell-conditioned medium作成に際してマスト細胞はrecombinant SCFおよびIL-33で刺激し、TGFβ mRNAの発現上昇を認め、有力な候補因子と認識している。マスト細胞由来可溶性因子同定後、唾液腺局所におけるマスト細胞での発現について蛍光免疫染色により確認を考えている。
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Causes of Carryover |
必要な実験をおこなったが予算内で余剰金が発生したため
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Research Products
(8 results)