2021 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞の過活性化により誘発される耐糖能異常の免疫学的解析
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19K08902
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
金子 和光 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (00334095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホスファターゼ / 樹状細胞 / Shp-1 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
樹状細胞(Dendritic Cell:DC)における細胞質型チロシン脱リン酸化酵素Shp-1の機能解析を目標にCre-loxPシステムを用いてDC特異的にShp-1を欠損するコンディショナルノックアウトマウス(Shp-1 CKO)を作製した。Shp-1 CKOではShp-1の欠損からDCが過活性になることで自己免疫性腎炎を自然発症し、T細胞はIFNγを強く産生する。本研究課題においては、2型糖尿病(DM)の病態形成における免疫異常を検討する目的で、高脂肪食を給餌することにより発症するマウス2型糖尿病のモデル(HFD [High Fat Diet]モデル)をShp-1 CKOで行った。その結果、高脂肪食の給餌によりShp-1 CKOはコントロールマウスと同程度の体重増加を示したが、耐糖能はコントロールマウスに比べて改善傾向を示していた。そこで、Shp1 CKOが高脂肪食負荷において抵抗性を示した理由を探索する目的で、肥満となったShp-1 CKOの内蔵脂肪の分布などを実験動物用のCTであるlatheta LCT-200を用いて解析した。その結果、Shp-1 CKOでは内蔵脂肪の分布はコントロールと同程度であったが、脾臓が著明に増大することが判明した。またグルコースアナログである2-NBGを用いた解析により、肥大した脾臓がグルコースを多量に消費する可能性が示唆された。そして、血清のサイトカインを測定したところ、肥満となったShp1-CKOでは血清中に検出されるIL-10が増加していた。これらの事実からShp-1を欠損するDCは、脾臓の細胞数のコントロールや抗炎症性サイトカインの産生などを介して耐糖能の改善に寄与することが判明した。
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[Presentation] CD11c-dependent ablation of the protein tyrosine phosphatase Shp1 improves insulin resistance2021
Author(s)
Shreya Shrestha, Yoriaki Kaneko, Masato Kinoshita, Yoichi Imai, Junya Suwa, Mitsuharu Watanabe, Yuko Ohishi, Yasuyuki Saito, Hiroshi Ohnishi, Takashi Matozaki, Keiju Hiromura
Organizer
The 50th Annual Meeting of the Japanese Society for Immunology