2019 Fiscal Year Research-status Report
多発性筋炎/皮膚筋炎の筋組織の免疫表現型解析による病態解明と疾患再分類への挑戦
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19K08903
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
溝口 史高 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60510360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 久紀 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00707028)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特発性炎症性筋疾患 / トランスクリプトミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)患者の筋組織に浸潤している免疫細胞の多様性と特徴とを1細胞レベルで詳細に明らかにし、筋局所における免疫表現型を明らかにすることにより、筋傷害を引き起こすメカニズムを細胞レベル・分子レベルで明らかにし、新たな治療標的を同定することを目指す。初年度は、PM/DM患者より採取した筋生検組織検体を酵素処理することにより、筋組織に浸潤している免疫細胞を単離し、その細胞表面分子の発現と個々の細胞における遺伝子発現をそれぞれフローサイトメトリーとsingle cell RNA-seqの技術を用いて解析を開始した。初年度の実績は以下の通りである。 #筋組織検体の組織学的評価:組織学的評価により患者の診断に役立てるとともに、浸潤している各免疫細胞の種類と割合を免疫染色で評価を行った。 #筋組織検体由来免疫細胞のフローサイトメトリーによる評価:採取した筋組織検体の一部をコラゲナーゼによる酵素処理を行うことにより、筋組織中の免疫細胞を採取し、フローサイトメトリーにて解析し、組織中に存在する免疫細胞の割合の評価を行った。 #筋組織検体由来免疫細胞のsingle RNA-seqによる評価:Single cell RNA-seqのための、細胞の採取とcDNA増幅の条件検討を重ね、ライブラリ作成のために必要な条件設定を行った。この条件を用い、PM/DM患者の筋組織由来免疫細胞の解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析手法の条件検討・最適化に時間を要することとなったが、適切なプロトコールを確立し、特発性炎症性筋疾患の筋生検組織検体からの免疫細胞の解析を開始することができ、概ね順調な進展は得られていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在解析中のデータをもとに、まずは適切なデータが得られているのかを確認する。必要に応じて更なる解析手法の最適化や手法の変更の必要性も検討する。適切なデータが得られた場合には、更に検体を増やし解析を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)2019年度は、実験の条件検討に多くの時間を費やすこととなり、解析の開始が遅れ、初年度に予定していた解析費用を次年度に使用することとしたため。 (使用計画)研究の遅れは生じたが、着実に研究の進捗は得られており、当初の研究計画通り使用を進める。
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