2020 Fiscal Year Research-status Report
ベーチェット病におけるインフラマソーム活性化機構の解析
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19K08911
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三苫 弘喜 九州大学, 大学病院, 助教 (60467909)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インフラマソーム / ベーチェット病 / IL-1beta / 単球 / caspase-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベーチェット病症例では血清IL-1betaおよびIL-18の上昇はみられない、またはみられても軽度であった。全身性エリテマトーデス(SLE)症例では血清IL-18の上昇が報告されていることから、SLE症例における単球のcaspase-1の活性化を検討した。ベーチェット病症例と同様にintermediate monocytesで最もcaspase-1の活性化が強くみられた。SLE症例の一部の血清は、健常人単球に対してcaspase-1の活性化を誘導した。末梢血単球のcaspase-1活性化の程度は血清抗二本鎖DNA抗体価と正の相関が、血清C3値と負の相関がみられ、疾患活動性が高いほどcaspase-1活性化が高い傾向にあった。その誘導はNLRP3阻害剤で抑制されたことから、NLRP3インフラマソームの活性化を介していると考えられた。さらに、cGASおよびSTINGの阻害剤でもcaspase-1の活性化は抑制されたことから、血清中の二本鎖DNAがインフラマソーム活性化に関与していることが推定された。またベーチェット病でもSLEでも好中球におけるインフラマソームの活性化は健常人と比較して亢進はしていなかった。 SLE単球からのIL-1b産生はみられるもののIL-18の産生はみられなかったことから、SLEにおける血清IL-18の上昇は単球由来ではなく、組織に局在するマクロファージに由来するものと考えられたが、組織の解析までは至っていない。 血球貪食症候群の骨髄マクロファージでは、顕著なcaspase-1の活性がみられ、血清IL-18著増のソースと考えられた。 以上より、疾患、病態毎にインフラマソームが活性化している細胞と場所は異なることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織におけるインフラマソーム活性化を解析する予定にしていたが、組織の活性型caspase-1を検出する系の確立に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ベーチェット病における好中球のNETosis活性化のメカニズムの検討 a) ベーチェット病患者好中球のNETosisの評価;ベーチェット病、健常人の好中球を分離し、in vitroで培養してNETosisを共焦点顕微鏡で評価する。b) 好中球でのnon-canonicalインフラマソームの評価;ベーチェット病、健常人の好中球を分離し、LPS+Dotapで刺激をして、caspase-4, caspase-5の活性化とIL-1beta分泌を評価する。c) non-canonicalインフラマソームの活性化がNETosisを誘導するかの検討;好中球を分離し、LPS+Dotapで刺激をして、NETosisを共焦点顕微鏡で評価する。NETosisがみられれば、caspase-4 inhibitor (Z-YVAD-FMK)または/かつcaspase-5 inhibitor (Z-WEHD-FMK)で前処理を行い、LPS+DotapによるNETosisが抑制されるか否かを検討する。
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Research Products
(1 results)