2021 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病におけるインフラマソーム活性化機構の解析
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19K08911
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三苫 弘喜 九州大学, 大学病院, 助教 (60467909)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インフラマソーム / ベーチェット病 / IL-1beta / 単球 / caspase-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベーチェット病症例で炎症期および非炎症期の末梢血単球のcaspase-1活性化を解析した。一部の炎症期症例ではcaspase-1の活性化が特にintermediate monocytesでみられたが、健常人や非炎症期症例と比較して統計学的に有意な差はなかった。また全身性エリテマトーデス(SLE)症例の血清は健常人単球のcaspase-1活性化を誘導したが、ベーチェット病の血清は誘導しなかった。SLE血清で培養した健常人単球はLPS刺激後のIL-1b分泌が亢進したことから、caspase-1の活性化は機能的と考えられた。SLE血清のインフラマソーム活性化因子を同定することはできなかったが、microparticlesや二本鎖DNAが重要であることが示唆された。SLE末梢血単球からはIL-18の分泌はみられなかったことから、SLE血清のIL-18上昇は単球由来ではなく、組織のマクロファージに由来するものと考えられた。そこで血球貪食症候群の骨髄マクロファージを解析したところ、顕著なcaspase-1の活性化がみられた。同病態ではインフラマソーム活性化マクロファージからIL-18が分泌され、血清中のIL-18が著増していると考えられた。マクロファージは全般にcaspase-1が活性化しており、M1やM2マクロファージなど特定の分画への偏りはなかった。マクロファージはpyroptosisという細胞死に陥っており、インフラマソーム複合体が細胞外へ放出され、それを取り込んだマクロファージのインフラマソームが活性化していくことが考えられた。これらのことから、インフラマソームの活性化は自己免疫疾患の病態に関与していることが示唆された。
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