2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of calcinosis in systemic sclerosis
Project/Area Number |
19K08921
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
白井 悠一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (70528801)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 強皮症 / 石灰沈着症 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、強皮症(SSc)における異所性の石灰沈着症の機序解明を目的としている。前年度までに、SSc患者の石灰沈着病変の摘出組織中に異所性に骨芽細胞のマーカーを発現する細胞が存在し、培養すると石灰成分を自発的に産生し続けることを明らかにした。すなわち、組織中の多分化能を有する細胞集団が、外的刺激によって骨芽細胞様細胞に分化し、石灰化成分を産生する機序が想定された。そこで、そのモデルとして間葉系幹細胞からの骨芽細胞誘導培養系を用い、治療薬の1つであるminocyclineの添加による石灰化成分抑制効果を検討した。骨芽細胞誘導から21日目にAlizarin Red S染色で評価したところ、治療群の1μg/mLでは抑制効果は見られなかったが、5μg/mLでは0μg/mLと比較して抑制効果が見られた。また10日目に採取したmRNAを用いて網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、5μg/mLでは0μg/mLと比較してtype I collagen α1(GAPDH補正fold change 0.65)、SPP1(fold change 0.71)、type I collagen α2(fold change 0.78)といった細胞外マトリックス最終生成物の産生低下が示された。一方で、骨芽細胞分化の早い段階から発現し、これら細胞外マトリックスの主な上流のマスター遺伝子であるRUNX2(fold change 1.09)、MSX1(fold change 0.95)の発現には変化は見られなかった。これらは遺伝子発現量ではなく、リン酸化のような機能的な機序で下流の遺伝子発現を促進する可能性が示唆された。
|
Research Products
(8 results)